環境問題に関する情報を調べていくと、「SDGs」という言葉のような英語の頭文字をとった略語に出会うことがあります。こちらのページでは環境問題に関連する英語を簡略にした語「英略語」に関して、省略する前はどんな言葉なのか、簡単な解説も併せて掲載しています。
下のアルファベットから、調べたい言葉の頭文字を選ぶことで気になった言葉をすぐに見つけることができます。わからない言葉に出会った時はぜひご活用ください。
頭文字で検索
AIM
Asian-Pacific Integrated Model(アジア太平洋統合評価モデル)の頭文字をとった略語。 アジア太平洋地域における物質循環を考慮した、地球温暖化対策評価のための気候モデルのことを指します。
BOD
Biochemical Oxygen Demand(生物化学的酸素要求量)の頭文字をとった略語。 生物が水中にある有機物を分解するのに必要とする酸素の量(mg/l)を表しています。 水質汚染のキーワードとしても用いられ、河川の汚染度が進むほど、この値は高くなります。
CCS
Carbon dioxide Capture and Storage(二酸化炭素回収・貯留)の頭文字をとった略語。 発電所や化学工場などから排出された二酸化炭素(CO2)を、ほかの気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入する技術です。CCUSと異なり、CCSは再利用のプロセスは含まず、貯留する点に重きを置いています。
CCUS
Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(二酸化炭素回収・貯留・利用)の頭文字をとった略語。 CCSにUtilization(利用)が加わり、CO2を分離・回収するだけでなく、化学製品や燃料などに変換して利用することを意味しています。
CFP
Carbon Footprint of Products の頭文字をとった略語。製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに⾄るまでのライフサイクル全体を通して排出される 温室効果ガスの排出量を CO2 排出量に換算し、製品に表⽰された数値もしくはそれを表⽰する仕組み(カーボンフットプリント)。
COP
Conference of the Parties(締約国会議)の頭文字をとった略語。多くの国際条約で、その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されています。気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」が採択された 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が特に環境問題のキーワードとして認知されています。
CNF
Cellulose Nano Fiber(セルロースナノファイバー)の頭文字をとった略語。セルロースナノファイバーは、セルロースを主成分とする植物繊維を、ナノ(1ナノは10億分の1)メートルサイズまでほぐして微細化した素材です。軽さ、強度、耐膨張性など様々な点に優れた素材で、環境負荷が少なく、普及が期待されています。
DfE
Design for Environment(環境配慮設計)の頭文字をとった略語。製品のライフサイクル全般にわたって、環境への影響を考慮した設計のことを意味しており、環境適合設計、エコ・デザインなどと呼ばれることもあります。
EPR
Extended Producer Responsibility(拡大生産者責任)の頭文字をとった略語。生産者が製造した製品について、使用済みの段階にまで責任を拡大する、という環境政策の概念。持続可能な発展を実現しようという動きを背景に、製品回収の責任を生産者に持たせるという環境政策の考え方です。
ESG
Environment ・Social ・Governance(環境・社会・企業統治)の頭文字をとった略語。 環境課題の解決、社会課題の解決、企業の自己管理体制の備え、の3つを考慮した投資活動や経営・事業活動を意味する言葉です。近年では、この三つの観点から企業を分析して投資する「ESG投資」が注目されています。
ESD
Education for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)の頭文字をとった略語。 持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習や教育活動のことを指します。持続可能な社会づくりの視点は、現行の学習指導要領にも生かされています。
FSC
Forest Stewardship Council(森林管理協議会)の頭文字をとった略語。 FSC認証は持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した、「適切な森林管理」を認証する国際的な制度です。認証を受けた森林からの生産品による製品にはFSCロゴマークがつけられます。森林破壊を防ぐために個人ができる取り組みとしてもFSCマーク付きの商品を選ぶことが推奨されています。
GHG
Greenhouse Gas(温室効果ガス)の頭文字をとった略語。地球温暖化の原因とされている温室効果ガスは太陽からの光で温められた熱を地表に蓄え、大気を温める効果を持っています。主な温室効果ガスとしては二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロン類などが挙げられます。
HIPCs
Heavily Indebted Poor Countries(重債務貧困国)の頭文字をとった略語。 世界で最も貧しく最も重い債務を負っている途上国のことで、認定されるには貧困度及び債務の深刻度に関する基準がある。1996年に世界銀行及び国際通貨基金(IMF)により初めて認定されました。
ISO
International Organization for Standardization(国際標準化機構)の頭文字をとった略語。ISOの主な活動は国際的に通用する規格を制定することであり、ISOが制定した規格をISO規格といいます。国際的な基準であり、制定や改訂は日本を含む世界の参加国の投票によって決まります。
IMF
International Monetary Fund(国際通貨基金)の頭文字をとった略語。通貨と為替相場、国際金融システムの安定化を目的とした国際連合の専門機関です。主な使命は国際収支が悪化した国に融資を行うことであり、常に世界全体や加盟国の経済状況を把握・監視して、必要に応じて加盟国に金融政策のアドバイスや技術支援を提供しています。
JIS
Japanese Industrial Standards(日本産業規格)の頭文字をとった略語。日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格のことです。自動車や電化製品などの産業製品生産に関するものから、文字コードやプログラムコードといった情報処理、サービスに関する規格などもあります。
KP
Kyoto Protocol(京都議定書)の頭文字をとった略語。 平成9年に行われた、地球温暖化防止京都会議(COP3)にて採択された「京都議定書」は世界で初めて温室効果ガス排出量の削減目標を定めた国際条約となりました。
LCA
Life Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の頭文字をとった略語。製品やサービスの原料調達から、生産、流通、廃棄、リサイクルまで含めた一連の流れ(ライフサイクル:Life Cycle)で生じる環境負荷を、定量的に算定して評価(アセスメント:Assessment)するための手法のことを指します。
LOHAS
Lifestyles of Health and Sustainability(健康的で持続可能な生活様式)の頭文字をとった略語。健康と環境について持続可能な生活を心がけることを意味しています。LOHASは人を含む地球上の生き物や社会全体の幸せを考えて、健康的な暮らしを維持することを目的としています。
LDN
Land Degradation Neutrality(土地の劣化の中立性)の頭文字をとった略語。主に砂漠化のトピックで使われる用語で、世界中の土地の劣化を改善して、持続可能な管理と土地の回復をめぐる持続可能なバランスに達することを目指す、という概念です。
MDGs
Millennium Development Goals(ミレニアム開発目標)の頭文字をとった略語。MDGsはSDGsよりも前に採択された、開発分野における国際社会共通の目標です。MDGsは途上国の開発問題が中心で、先進国はそれを援助する側という位置付けであったのに対し、SDGsは、開発側面だけでなく経済・社会・環境の3側面すべてに対応し、先進国にも共通の課題として設定しています。
NPO
Non-Profit Organization(非営利組織)の頭文字をとった略語。 様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称です。NPOは、様々な分野(福祉、教育・文化、まちづくり、環境、国際協力など)で、社会の多様化したニーズに応える重要な役割を果たすことが期待されています。
OECD
Organisation for Economic Co-operation and Development(経済協力開発機構)の頭文字をとった略語。 OECDは、経済成長、開発援助、自由かつ多角的な貿易の拡大を目的とする国際機関(本部はパリ)で、多岐にわたる経済・社会分野において、調査、分析、政策提言を行うことから「世界最大のシンクタンク」とも呼ばれています。
PCR
post consumer recycled(ポストコンシューマーリサイクル)の頭文字をとった略語。消費者が使用済みの製品を廃棄せずに回収、再生資源化することを指します。廃棄物を資源として見なし、再活用することで資源活用の最大化を促進しています。
PIR
post industrial recycled(ポストインダストリアルリサイクル)の頭文字をとった略語。 市場に出る前の製品製造工程で発生した材料をリサイクル・再利用することです。再生プラスチックや再生材料と呼ばれる材料もPIRによって製造された材料です。
PFAS
Per-and PolyFluoroAlkyl Substances(有機フッ素化合物)の頭文字をとった略語。PFASはペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の略称で、4,700種類以上の物質があるとされています。 PFASは水に溶けやすく、近年では日本の土壌や河川からも国の基準値を超える場所が次々と見つかり、問題となっています。
QOL
Quality of life(生活の質)の頭文字をとった略語。 QOLは私たちが生きる上での満足度をあらわす指標のひとつです。身体的な苦痛の軽減、精神的、社会的活動を含めた総合的な活力、生きがい、満足度という意味が含まれます。近年の研究では大気汚染の健康影響についてQOLにより評価する必要があることが指摘されています。
RE100
Renewable Energy100%(再生可能エネルギー100%)の頭文字をとった略語。アールイーワンハンドレッド と読みます。 事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うことを目標としている世界の企業の連合です。加盟企業は自社の事業を再生可能エネルギー100%で運営していくことを宣言するだけでなく、具体的な目標年を掲げ、目標達成へ向けた活動を毎年報告書として事務局へ提出する必要があります。
REDD
Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation in Developing Countries(開発途上国における森林減少・劣化などによる温室効果ガス排出量の削減)の頭文字をとった略語。 開発途上国における森林減少・劣化の抑制や森林保全による温室効果ガス排出量の減少に、経済的なインセンティブを付与することにより、排出削減を促進させようという国際的な取り組みです。
SDGs
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の頭文字をとった略語。 SDGsには2030年までに達成すべき17の目標が掲げられており、これらは2015年に開催された国連サミットにおいて採択されました。SDGsが採択される以前には「MDGs(ミレニアム開発目標)」が存在していたのですが、2015年に達成期限を迎えたことによって新たにSDGsが採択されることになりました。
SBT
Science Based Targets(科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標)の頭文字をとった略語。 パリ協定が求める水準と整合した、5年〜15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のことです。2023年1月10日時点において日本のSBT認定企業は350社で、世界的に見ても認定を受けた企業の数はアメリカ・イギリスに次ぐ3位を維持しているため、環境問題への関心が高いといっても過言ではありません。
SAF
Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)の頭文字をとった略語。 SAFは循環型の原料で製造された航空燃料を指し、現在では植物などバイオマス由来の原料や、飲食店などから排出される廃食油などに含まれる炭素から主に製造されます。環境問題が深刻化する現代では、排出されるCO2の量から「飛行機に乗って空を飛ぶのは恥ずべきことだ」という「Flight Shame(フライトシェイム)」という言葉が一般的になっており、そんな中、循環型の原料であるSAFに注目が集まっています。
TCFD
Task force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)の頭文字をとった略語。 TCFDは企業などに対し、気候変動に関連する取り組みや方針、財務への影響といった情報の開示を推奨する組織のことです。2017年には一般的な年次財務報告書などに「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目を盛り込むことを情報開示のあり方として公表しました。
UNCCD
United Nations Convention to Combat Desertification(国連砂漠化対処条約)の頭文字をとった略語。 UNCCDとは深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)や地域が砂漠化に対処するために行動計画を作成し及び実施すること、また、そのような取組みを先進締約国が支援すること等について規定した条約です。
UNEP
United Nations Environment Programme(国連環境計画)の頭文字をとった略語。 UNEPは1972年に設立された、国連の専門機関の一つです。環境に関する活動を行う機関であり、持続可能な開発を推進することを目的としています。
UNFCCC
United Nations Framework Convention on Climate Change(気候変動に関する国際連合枠組条約)の頭文字をとった略語。 UNFCCCは、1992年5月に国連総会で採択され、同年6月3日から6月14日まで、ブラジルの都市リオ・デ・ジャネイロにおいて開催された環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)において、署名のために開放された地球温暖化問題に関する国際的な枠組みを設定した環境条約です。
VER
Verified Emission Reduction(第三者認証排出削減量)の頭文字をとった略語。 温室効果ガスの削減・吸収量について発行されるクレジットであって、京都議定書、EU域内排出量取引制度等の法的拘束力をもった制度に基づいて発行されるクレジット(認証排出削減量=Certified Emission Reductions、略称「CER」という)以外のものを言う。日本国内では環境省により2008年にオフセット・クレジット(J-VER)が創設され、2013年度に国内クレジット制度と統合した新制度であるJクレジットとして運用されている。
WHO
World Health Organization(世界保健機関)の頭文字をとった略語。 WHOは1948年4月7日に、すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で設立されました。本部があるのはスイスのジュネーブで、194の国と地域が加盟しています。
WWF
World Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)の頭文字をとった略語。 WWFは、世界最大規模の自然環境保護団体である国際NGOです。急激に失われつつある生物多様性の豊かさの回復と、地球温暖化防止のための脱炭素社会の実現に向けて、希少な野生生物の保全や、持続可能な生産と消費の促進を行なっています。1986年までは世界野生生物基金 (World Wildlife Fund)という団体名でした。
WMO
World Meteorological Organization(世界気象機関)の頭文字をとった略語。 世界気象機関は、1951年に国連の専門機関となり、気象、気候、水に関する権威のある科学情報を提供しています。地球の大気の状態と動き、大陸と海洋の相互作用、気象とそれが作り出す気候、その結果による水資源の分布、こうしたことを観測、監視するための国際協力を調整する機関でもあります。
ZEB
Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の頭文字をとった略語。 ZEB(ゼブ)は快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量をプラスマイナス(ネット)でゼロにすることができます。
ZEH
Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の頭文字をとった略語。 ZEH(ゼッチ)は高断熱・高気密化、高効率設備によって使うエネルギーを減らしながら、太陽光発電などでエネルギーをつくり出し、年間で消費する住宅の正味エネルギー量がおおむねゼロ以下になる住宅のことです。政府は、2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現することを目標に掲げ、戸建住宅や集合住宅に対するさまざまな補助金制度を設けています。
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