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CCS / CCUS|1分で学べる環境問題

CCS / CCUS|1分で学べる環境問題

二酸化炭素を「埋める」技術、CCS/CCUSとは?

こんな疑問を解決!

❑二酸化炭素を「埋める」ってどういうこと?

❑CCS/CCUSってどんな技術?

❑実用化に向けての課題は?

 

\環境キーワードのまとめはこちら/

二酸化炭素を「埋める」ってどういうこと?

カーボンニュートラルを実現させて、2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロにする目標が掲げられているけど、どうしても排出が避けられない業種もあるわよね。
二酸化炭素固定」という方法があることは、この前教えてもらったけど、他にも二酸化炭素を「埋める」方法があるってニュースで見たわ。
ママが見たニュースは「CCS」「CCUS」のことかな?二酸化炭素(CO2)を削減する取り組みのひとつとして、世界中で注目されているよね!「CCS」は「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、「二酸化炭素の回収、貯留」という意味で、「CCUS」は「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、「二酸化炭素の回収、再利用、貯留」という意味なんだ。

国際エネルギー機関(IEA)の報告書よると、2060年までの累積CO2削減量の合計のうち14%をCCSが担うことが期待されているんだ。日本でも2024年2月にCCSの実用化に向けた法案が閣議決定されて、推進されているんだよ。
なるほど。カーボンニュートラルに向けて、今注目の取り組みってことね!でも、排出された二酸化炭素を回収して、貯留して、再利用って一体どういうことなのかしら。
それじゃあ詳しく説明していくよ!

「CCS」「CCUS」ってどんな技術?

 

①二酸化炭素の回収

発電所や工場などから排出された二酸化炭素は、いろんな気体と混ざっているよね。CCS、CCUSでは排出された気体から、二酸化炭素を分離させて回収するんだ。 日本では化学物質を使って分離して、取り出した二酸化炭素を貯蔵する実証実験がされているよ。
二酸化炭素固定」で教えてもらった、「人工による二酸化炭素固定」をして回収するってことね!
その通り!日本では化学物質を使う方法が主流だけど、他にも多孔質の個体に吸着させたり、凝縮温度の違いによって分離する方法もあるよ!
CO2の回収事業は、2030年代後半には世界で10兆円規模の市場に拡大するとも言われているから、もっとたくさんの方法が出てくるかもしれないね。
回収した二酸化炭素は、どうやって貯留するの?

 

\CO2を「固定」するって?/

 

 

②二酸化炭素の貯留

回収した二酸化炭素は、地中や海底深くに埋めて貯留されるよ。
二酸化炭素は圧縮され、砂岩を含む地層に送られて、岩石の隙間に貯留されるんだ。砂岩を含む地層の上には泥岩を含む地層があるんだけど、泥岩を含む地層は密度が高くて硬いから、二酸化炭素を通さないと言われているんだ。
隙間が多い地層に埋めて、その上にある密度が高い層を蓋にするということなのね!
日本では2012年から、今説明した方法で貯留する実験が北海道・苫小牧で行われているんだ。2019年11月には貯留目標である累計30万トンの注入に成功している、大規模な実証実験なんだよ!
だけど、実用化するためには大量に貯留できる場所が必要だし、回収した場所と貯留地がすぐ近くにあるとも限らないよね。そこで船を使って、冷却した液化二酸化炭素を貯留地まで運ぶ実証実験が始まろうとしているんだ。
二酸化炭素を船で運ぶ実験は、ニュースで取り上げられていたわね。CCUSのための輸送船は世界初って聞いたわ。すごいことよね!
2024年10月、京都の舞鶴から北海道の苫小牧まで輸送をする実験なんだよ。実証船は全長72mで、1450㎥の液化二酸化炭素を輸送できる船なんだ。ちなみにその船は「えくすくぅる」という名前が付けられているよ!
船を使えば大量の二酸化炭素を輸送できるものね。カーボンニュートラルに向けての素晴らしい1歩になるわね。実証実験の結果に注目したいわね!

 

CCSの流れ

引用:経済産業省| 知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~CO2を集めて埋めて役立てる「CCUS」(2017年11月)

 

②二酸化炭素の再利用

回収、貯留についてはわかったんだけど、CCUSの「再利用」って一体どういうことかしら?二酸化炭素をどうやって再利用するの?
良い質問だね!
再利用の方法として、二酸化炭素を古い油田に注入して、原油を圧力で押し出しながら二酸化炭素を地中に貯留するということが行われているよ。主に海外で行われている方法なんだけど、石油の増産にも繋がるということで、「石油増進回収」とも呼ばれているんだ。
日本ではどんな再利用の仕方があるのかしら?
ごみ焼却後の廃棄物発電施設にCO2の分離・回収施設を設置して、回収したCO2を藻類培養業者に売却している事例があるよ。化粧品やサプリメントとして製品化されているんだ!
他にも太陽光と二酸化炭素で人工光合成を行ってエネルギーに変換したり、水素と回収した二酸化炭素を合成して作る「合成メタン」をエネルギーとして使用することも検討されているよ。
色々な研究や実証実験が行われているのね!
日本では2020年12月、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されたよ。二酸化炭素を資源として捉えて、再利用する「カーボンリサイクル」という考え方が広まってきているんだ。
カーボンリサイクルっていうのね!確かにたくさん排出される二酸化炭素を資源として活用できるなら素晴らしいわよね。
まだ実験段階のものが多いようだけど、実用化はいつごろになるのかしら?

実用化に向けての課題は?

実用化に向けて、まだまだ課題も多いんだ。
回収に関する研究は進んでいるけど、回収装置のコストが高いこと貯留する場所については実用化の壁になっているよ。 貯蓄する場所はどこでも良いわけじゃなくて、十分な量を、安全に貯留できるのか?を検証する必要があるんだ。このことについては、地質調査などが進められているよ。
地中深くに埋めなければいけないから、調査をするだけでも大変そうね。
再利用についても課題は多いよ。政府だけではなく企業、個人も含めた新しい循環型社会のモデル構築が必要なんだ。実用化に向けての法整備なども進められていて、2030年のCCUSの本格的な社会実装を目指して、日々研究や実験が進められているよ。
二酸化炭素を再利用すれば新たに排出しないで済むし、場合によっては大気中の二酸化炭素を減らすこともできるものね。カーボンリサイクルで循環している社会はあまりイメージできないけど、いつかそれが当たり前になる日がくるのね。
そうだね。ただ、どんなに新しい技術が出てきても、新たな二酸化炭素がたくさん排出されてしまってはあまり意味がないよね。排出量を減らす努力は続けていきたいね。
その通りね。私も毎日の生活で、出来るだけ排出削減につながる行動を取るように意識して行きたいわ。

 

カーボンニュートラルの広がり_2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

引用:経済産業省| 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

 

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キーワードのまとめ

❑ 二酸化炭素を回収し貯留、再利用する「CCS」「CCUS」という技術が世界中で注目されている。

❑ 日本では2024年10月から、分離・回収し冷却した「液化二酸化炭素」を船で運び貯留する実証実験が行われる予定。

❑ 実用化に向けては、課題が多く、新しい循環型社会のモデル構築が必要。2030年のCCUSの本格的な実装を目指して日々研究・実験が進められている。


(参考)

環境省| 「二酸化炭素の貯留事業に関する法律案」の閣議決定について

経済産業省| 経済産業省におけるCCUSの取組み

環境省| 再生可能エネルギー電力 100%に向けたシナリオに係る文献調査結果(IEA “World Energy Outlook 2022”)

経済産業省| 「令和4年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2023)」第3節 CCUS/カーボンリサイクルの促進

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)| 「世界初、低温・低圧の液化CO2大量輸送に向けた実証試験船「えくすくぅる」が完成」(2023年11月28日)

経済産業省| 知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~CO2を集めて埋めて役立てる「CCUS」(2017年11月)

経済産業省| CO2分離回収技術開発に関連した国内外の情勢について(2023年4月)

環境省| CCUSを活用したカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組み(2020年2月)

経済産業省| 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

環境省| 「第6次エネルギー基本計画」(2021年10月)

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