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地球温暖化の原因と影響|二酸化炭素の排出量を減らし地球環境を守る対策を解説

地球温暖化の原因と影響|二酸化炭素の排出量を減らし地球環境を守る対策を解説

地球で暮らす私たちが日々の生活の中で排出している二酸化炭素(CO2)は、豊かで便利な暮らしと引き換えに、産業革命以降爆発的に増え続けています。この排出二酸化炭素が原因による環境問題が地球規模で問題となっています。

 

この記事では、二酸化炭素による環境への影響を説明し、それらの問題がなぜ深刻であるかを解説しています。環境問題への対策として重要な概念である低炭素社会、脱炭素社会、カーボンニュートラルについても紹介しています。また、私たちひとりひとりが個人の生活レベルで取り組むことのできる二酸化炭素削減方法まで紹介しているので、積極的に環境問題対策を行いましょう!

二酸化炭素による環境問題

スモッグ排ガス

 

二酸化炭素が原因の代表的な環境問題として、地球温暖化と海洋酸性化があります。これらの環境問題は、二酸化炭素排出量が増え過ぎることで起こり、地球規模で深刻な状況となっています。これらの現象が環境へどのような影響を与えているのかを説明します。

 

\増え続けるCO2による動物への影響はこちら/

地球温暖化が引き起こす環境問題

異常気象

 

数年前からテレビなどのメディアでも取り上げられ、身近な環境問題となっている地球温暖化。太古より一定の量で保たれていた大気中の二酸化炭素が、私たち人間の豊かな生活に伴い増加し続けています。この大気中の二酸化炭素を含む温室効果ガスの濃度が高まり、太陽から降り注ぐ熱が地球から放出できず、大気中に溜まってしまうことが原因で発生しているとも言われています。この地球温暖化が引き起こす地球への影響は、次の4つが挙げられます。


⚫︎海面上昇
⚫︎異常気象
⚫︎干ばつ
⚫︎生態系の変化


これらの環境問題について解説します。

海面上昇

海面の上昇は、気温の上昇による海水の膨張と、陸地の氷が解けることで起こります。海にある氷河が解けても、氷の体積が既に含まれているため水位に影響はありません。一方、陸にある氷が解けて海へ流れると、体積は増え海面が上昇します。また、海水の量が同じであっても、気温が高くなると膨張し体積が増加するため、海面が上昇します。
海面の上昇により水没する国や地域があり、実際に移住を余儀なくされた住民も存在します。水没まではいかなくとも、海面が上昇するとそれだけ浸水しやすくなり、水害リスクが高まります。また、浸水により地下水に海水が混ざると、飲み水を確保できなくなったり、農作物が育たなくなったりするおそれがあります。

異常気象

連日の猛暑日や集中豪雨といった今までに類のない異常気象が頻発し、観測史上初が更新されています。直接の要因ではないものの、地球温暖化により異常気象が起こりやすくなっています。豪雨や熱波などの異常気象は、偏西風の蛇行による大気のゆらぎによって引き起こされますが、地球温暖化による気温上昇が異常気象の発生確率を高めています。気温は平均気温を中心にばらつくため、平均気温が高くなるとばらつきが同程度であっても、気温の高くなる日が増えます。
その影響により、高温での異常気象が発生しやすいと考えられています。異常気象の頻発による災害リスクの高まりが懸念されています。

干ばつ

地球温暖化により降水量の両極化、つまり集中豪雨時の雨量は増える一方で、降雨のない日が長く続く状態になると予想されています。雨量の少ない地域はさらに雨が降らなくなり、干ばつ状態となります。干ばつになると水不足で農作物の不作や飲料水の不足を招きます。農作物が不作になると、食糧を輸入に頼る日本にも影響を及ぼします。
また、乾燥状態の大地は燃えやすい状態にあり、森林火災を引き起こすこともあります。森林火災は生物や人々の生命を脅かすことに加え、木々の燃焼による大量の二酸化炭素排出によって、地球温暖化を加速させるおそれがあります。さらに、森林が光合成により吸収する二酸化炭素量も減少します。

生態系の変化

地球温暖化による気温上昇に伴い、動植物の生息域や活動時期が変化しています。中には気温の上昇によって棲家やエサがなくなるなどの影響で、絶滅が危惧されている生物も存在します。食物連鎖などにより生物は他の種と繋がっているため、絶滅すると生態系全体へと影響することになります。また、マラリアやデング熱を媒介する蚊の生息域が変化することで、これまでなかった日本をはじめとする地域でも感染が拡大するおそれがあります。(※1)

海洋酸性化が引き起こす環境問題

サンゴ白化

 

二酸化炭素が海水へ溶け込むことによって、海洋酸性化が起こります。海に溶けた二酸化炭素は、海中の海藻などによって吸収されるものの、濃度が高くなり過ぎると処理が追いつかなくなります。処理ができなかった二酸化炭素は、炭酸イオンとして存在し、電離によって海中のpHを低くすることで海水が酸性化します。海洋酸性化は海の生態系に影響し、甲殻類や貝類、サンゴの生育を妨げることが懸念されています。これは酸性化によって殻などの主成分である炭酸カルシウムが溶けてしまうために起こります。

 

\二酸化炭素を海が吸収するってホント?/

二酸化炭素排出量の現状

中国大気汚染

 

世界の二酸化炭素排出量は、2022年に368億トンを超えたと国際エネルギー機関IEAが報告しました。(※2)エネルギー生産および消費に伴って排出される二酸化炭素の割合が多くを占め、経済的に発展している先進国による排出が主だっています。World Bank Open Dataが発表する世界の二酸化炭素排出量データによると、1990年では約212億トンだった排出量が、2020年には約335億トンにまで増加しています。World Bank Open Dataが発表しているデータにおいて、国別で二酸化炭素排出量を比較すると、2020年では中国が100億トン以上と最も排出しており、アメリカはそれに次いで約43億トンの排出量です。日本は5番目に多い二酸化炭素排出量で、10億トン程度となっています。(※3)

二酸化炭素の増加要因

石油採掘

 

二酸化炭素(CO2)増加の起源は産業革命期とも言われています。コークスに代わり便利で使い勝手の良い石油が発見され、劇的に経済が発展しました。しかし、石油の発見は地球の劣化を加速させたと言っても過言ではありません。地球で暮らす私たちの便利さを求める人間活動が原因なのは言うまでもありませんが、具体的に二酸化炭素の増加要因には様々なものがあります。代表的なものは次の3つです。


⚫︎産業活動
⚫︎排気ガス
⚫︎森林減少


それぞれの要因が、どのように二酸化炭素増加に影響するのかを説明します。

 

産業活動

二酸化炭素の増加要因の多くを占めるのが産業活動です。産業活動では電気や熱を大量に消費しています。この電気や熱を生み出すのに化石燃料を燃やす必要があり、燃焼の副産物として二酸化炭素が排出されています。環境省と国立環境研究所による「2021年度温室効果ガス排出・吸収量(確報値) 概要」によると、日本における産業活動による二酸化炭素排出量は、2013年の464万トンから、2021年には373万トンまで減少しているとのことです。(※4)エネルギー生産や消費に伴う二酸化炭素排出が多くの割合を占めており、減少傾向にあるとはいえ、この分野での削減が課題といえます。

排気ガス

自動車の排気ガスによる二酸化炭素排出も問題です。国土交通省が発表した「運輸部門における二酸化炭素排出量」によると、2021年度において日本で自動車が排出する二酸化炭素量は全体の15.1%に上るとされています。(※5)ガソリン車から二酸化炭素排出量を減らせるハイブリッド車や電気自動車への移行を推進しているものの、まだまだ足りていないのが現状です。日本政府は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を掲げ、その中でEV等の電動車の普及加速を今後の取組として挙げており、2030年代半ばまでに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じる方針です。(※6)

 

\CO2を排出しない移動手段は?/

森林減少

森林の植物は、光合成により排出された二酸化炭素を吸収するため、大気中の濃度を減らしてくれます。反対に呼吸で二酸化炭素を排出するものの、光合成の吸収量に対しては少ないため、森林は二酸化炭素削減に貢献しているといえます。世界森林資源評価(FRA)2020によると、世界の森林面積は1990年から2020年までの30年間で1億7,800万haが減少したと報告しています。(※7)森林は植林により再生しますが長い年月がかかるため、減少を食い止めることが重要です。

増加する二酸化炭素への対策

風力発電

 

環境問題を解決するために、増加する二酸化炭素を抑える取り組みが世界中で行われています。気候変動をはじめとする地球規模の問題を解決するには、国際的な取り組みが不可欠です。ここでは、二酸化炭素削減のための具体的な取り組みを紹介します。

低炭素社会

低炭素社会とは、二酸化炭素の排出量を削減した社会のことで、京都議定書の採択時に示した方針です。低炭素社会を実現するには、化石燃料から水素や電気エネルギーへの転換が求められます。発電に化石燃料を使うと二酸化炭素が排出されてしまうので、風力や太陽光といった再生可能エネルギーの活用が必要です。化石燃料を使うにしても最小限に抑えるために、高エネルギー効率としなければなりません。

脱炭素社会

脱炭素社会は二酸化炭素の排出量ゼロを達成した社会のことです。低炭素社会は二酸化炭素の抑制でしたが、脱炭素社会は完全に排出しない社会を指します。パリ協定が制定されてからは、低炭素社会から脱炭素社会を意識した取り組みに各国がシフトし、2050年までの実現を目指しています。脱炭素社会においては、化石燃料を使わずに、再生可能エネルギーを高効率で利用できるようにし、省エネルギー化にも努める必要のあるハードルの高い目標です。

 

\再エネにも種類があるの、知ってる?/

カーボンニュートラル

カーボンニュートラルは二酸化炭素やメタン(CH4)、フロン類といった温室効果ガスを排出しても、同量の吸収または除去により、実質的な排出量のない状態とすることです。脱炭素社会と同じように使われるものの、排出量ゼロの対象が二酸化炭素だけでなく、温室効果ガス全体を指していることが特徴です。ただし、脱炭素社会とカーボンニュートラルが同義で使われることもあり、違いは明確ではありません。カーボンニュートラル実現には排出量の削減だけでなく、吸収能力の強化や新規の吸収技術の開発が求められます。

 

\二酸化炭素を閉じ込める取り組みとは!?/

私たちができる二酸化炭素削減への取り組み

脱プラ紙化

 

私たちの生活において二酸化炭素を多く排出しているのは、電力消費とガソリン車での移動です。電気は化石燃料を燃やす火力発電により供給されている場合が多く、二酸化炭素の排出が伴います。節電や省エネに努めることや、再生可能エネルギーを利用した発電により電気を供給している事業者を選ぶことで、二酸化炭素の排出を抑えられます。ガソリン車は二酸化炭素を含有した排気ガスを出します。電気自動車への乗り換えや、できるだけ公共交通機関での移動を心掛けることで、二酸化炭素削減に貢献できます。

他にも、簡単に取り組める地球温暖化対策を一覧で記載しておきます。できそうなものから取り組んでみてはいかがですか?


⚫︎脱プラスチック製品を選ぶ
⚫︎プラから紙製品へ置き換える
⚫︎水を大切に使う
⚫︎ごみの分別に取り組む
⚫︎フード・マイレージを意識して買い物をする
⚫︎情報を集める
⚫︎ボランティア活動などに参加する

 

\地産地消はなんで環境に良いの?/

 

\おすすめのゴミ拾いボランティア/

 

\海洋プラスチック削減に貢献しよう/

まとめ

二酸化炭素の増加は、現在の環境問題の中心であり、対策の重要性は高まる一方です。この環境問題への対応について、国単位での取り組みはもちろん、個人でもできることを意識的に取り入れることが大切です。

 


 

参照元

※1 https://shizen-hatch.net/2022/02/01/malaria/

※2 https://www.iea.org/news/global-co2-emissions-rose-less

※3 https://data.worldbank.org/indicator/EN.ATM.CO2E.KT?end=2020&most_recent_value_desc=true)

※4 https://www.nies.go.jp/whatsnew/2023/20230421-attachment01.pdf

※5 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html

※6 https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012-1.pdf

※7 https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/attach/pdf/index-5.pdf

ライター

新利優也(しんりゆうや)

10年近くにわたり執筆業に携わる。営業、研究開発職の経験あり。趣味はベースと自然散策。
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