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環境を良くして稼ぐ。環境ビジネスの実用書|GREEN BUSINESS

環境を良くして稼ぐ。環境ビジネスの実用書|GREEN BUSINESS

ダイナリー図書館では、これからの地球のために、自分ごととして環境問題に取り組むキッカケとなれるよう、カンキョーダイナリー(環境>)おすすめの本や映画などをご紹介していきます。

環境問題に取り組むことで生まれる
新たなビジネスチャンス

脱炭素社会へ向けた世界の動き

地球温暖化、大気汚染、森林破壊など、年々深刻化する環境問題。2015年に採択されたパリ協定を皮切りに世界各国は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げ、脱炭素へと舵を切りました。

 

日本においても、「2050年カーボンニュートラル宣言」を行って以来、環境意識が高まり、環境規制の強化や再生可能エネルギーの推進など、政府、企業、地方自治体の各部門が連携して、脱炭素社会の実現に向け、様々な取り組みを行っています。

 

「パリ協定」


2015年にフランスの首都パリで開催された国際連合気候変動枠組条約(UNFCCC)の第21回締約国会議(COP21)において採択された、国際的な気候変動に関する合意。2020年以降の温室効果ガス削減に関する世界的な取り決めが示され、温室効果ガスの排出削減に関する世界共通の目標が設定されました。この年を機に世界の気候変動への取り組みが加速しました。

 

環境ビジネスとは

こうした中で、環境問題に対処するための鍵となると言われているのが、環境ビジネス。環境ビジネスとは、環境問題の解決に貢献する製品やサービスを提供するビジネスのこと。環境に配慮しながらも収益を上げるビジネスモデルは、長期的に停滞する日本経済においても、新たなビジネスチャンスとして期待され、これまでの環境を壊すようなビジネスのあり方からの転換が求められています。

 

一方で、環境ビジネスをビジネスとして成り立たせることは決して簡単ではありません。それどころか、環境に配慮していたつもりが、顧客先を含めた全体で見ると、決してエコではなかった、という失敗事例も。

 

今回取り上げる「GREEN BUSINESS」では、スタートアップを目指す若い方、会社の中で環境ビジネスへの取り組みを求められているビジネスパーソンを念頭に、環境を良くして収益を上げる発想とスキルが紹介されています。

 

環境で儲ける実践を増やす
ビジネスデザインの実用書

本書は、長年に渡り環境ビジネスの最前線に立ってきた吉高まり氏と、環境庁(当時)で政策立案を担当してきた小林光氏が執筆した「環境をよくして稼ぐ」ためのビジネスデザインの実用書。吉高氏が受け持っていた慶應義塾大学の「環境ビジネスデザイン論」での講義のエッセンスをまとめたものになります。

 

では、環境ビジネスにはどのようなものがあるのでしょうか。本書では、下記の4つの切り口のもと、これからの環境ビジネスの狙い目を紹介しています。

地球温暖化

地球温暖化は、地球上の気温が長期的に上昇する現象のこと。大気中のCo2の増加により、太陽からの熱を地表から逃がしにくくなることで、地球全体の気温を上昇させます。地球温暖化の進行を止めるには、温室効果ガス(二酸化炭素・メタン・フロン)を出さないようにすること。そして、出された温室効果ガスを空気中から取り除くことが必要になります。具体的な事業には、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーを活用した創エネ事業や植林事業、省エネ製品の開発・販売などが挙げられます。

 

生物多様性

目に見えない細菌からゾウのような大きな動物まで、地球上に生きる全ての生き物は、お互いにつながり、直接的・間接的に支え合い、私たちは存在しています。このことを生物多様性と言います。それが今、人間活動の影響によって、かつてないほどのスピードで失われつつあります。生物多様性のバランスが崩れると、きれいな水や空気、食料や薬の原料をはじめ、様々なものの供給バランスが崩れ、私たちの生活に影響を及ぼします。その中でいま、地域の多様な資源を最大限に活用しながら、環境・社会・経済の同時解決を目指す「地域循環共生圏」の取り組みが注目を集めています。

 

海洋プラスチック汚染

海洋に流れ込むごみの中で最も注目されているのがプラスチックごみ。海洋に流入するプラスチックの量は、毎年800万トン以上に上ると推定されており、2050年には海で暮らす魚の数より多くなると言われています。このプラスチックはなかなか分解されず、直径5ミリ以下のサイズのマイクロプラスチックになっても半永久的に存在し続けます。魚の体に取り込まれると、食物連鎖により人間の体内に入り込み、健康上の影響も懸念されています。これらの問題を防ぐ事業としては、既存プラスチックの使用量削減、使用プラスチックの生分解性素材への転換、回収されたプラスチックの再生・活用などが考えられます。

 

SDGsの実現

SDGsとは、2015年9月に国連で採択された、2030年までに“世界共通の目標"として達成すべき持続可能な目標のこと。貧困や健康、衛生、エネルギー・環境など17種類の目標が提示されました。実はこうしたSDGsへの関心が、ビジネスの分野でも急速に高まっています。SDGsの達成につながる事業や経営を進めることが、中長期的な利益を生み出し、ビジネスを持続可能にし、自らのブランド価値を高めることにつながる。そう考える企業が世界的に増えているのです。こうした背景には、企業の財務情報に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組み状況を企業評価の尺度としてとらえ、積極的に投資を行う『ESG投資』の広まりが、1つの大きな要因となっています。

 

「紙」を使った環境対策なら

紙で環境対策

カンキョーダイナリーを運営する大昭和紙工産業「紙で環境対策室」では、プラスチックから紙への切り替えによる環境問題の解決を目指し、サステナブルで地球に優しい社会の実現に向けたアクションを発信しています。

 

また、紙パッケージ製品にご記載いただくことで、環境に配慮した取り組みを広く認知してもらえる当社オリジナルの環境マークのサービスをはじめ、「紙で環境対策」を合言葉に、様々な取り組みを行っています。

 

ぜひ一度、お問い合わせください。

 

【目次】

シラバス(あらまし)

 

第1課 環境ビジネスが必要な理由、必要だが実行は難しい訳

第2課 環境ビジネスの共通技法、その基礎の基礎

第3課 ビジネスと環境政策との間に良い関係を作る

 

中間試験

 

第4課 すべての会社のソリューション、企業内環境起業をしよう

第5課 グリーン・スタートアップとして想いをカタチにする

 

休憩 OG・OB訪問

 

第6課 事業の拡大、投資家や金融機関とのよいお付き合い

第7課 世界の動きと、小林、吉高が見立てる、ビジネスのこれからの狙い目

 

最終試験

【著者紹介】

著者:吉高 まり (ヨシタカ マリ)

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科非常勤講師(環境ビジネスデザイン担当) 社団法人バーチュ・デザイン 代表理事 1984 年明治大学法学部卒業後、IT 企業、米国投資銀行等に勤務。ミシガン大学環境・サステナビリティ大学院科学修士。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士(学術)。2000 年三菱UFJ モルガン・スタンレー証券にてクリーン・エネルギー・ファイナンス部を立ち上げ、環境金融コンサルティング業務に長年従事。内閣官房、環境省、経済産業省等の政府委員を務めると共に、ESG 投資及びSDGsビジネスの領域で多様なセクターに対しアドバイス・講演・調査等を実施。2009 年より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科非常勤講師として環境ビジネスデザイン論を担当。2021 年社団法人バーチュ・デザインを設立し、グリーン・サステナビリティ分野の事業・ビジネスの実装を推進する。

 

著者:小林 光 (コバヤシ ヒカル)

東京大学 先端科学技術研究センター研究顧問・工学博士 1973 年慶應義塾大学経済学部卒業後、環境庁(当時)入庁。37年間にわたり、都市公害や地球温暖化への政策立案を通じて、環境と共生する経済への移行を担当した。社会人としてフランスへ留学、また、東大まちづくり大学院を修了。2011 年、事務次官を最後に退官し、慶應義塾大学、東京大学及びノース・セントラル・カレッジ(米国・イリノイ州)などで環境を講じる。自宅エコハウスでのエコライフ実践で有名。企業の独立取締役や顧問などとして環境経営にも参画。編著書には、「ザ・環境学」(勁草書房)、「地球とつながる暮らしのデザイン」(木楽舎)、「エコなお家が横につながる」(海象社)、「カーボンニュートラルの経済学」(日経BP 社)などがある。

【商品詳細】

出版社:木楽舎

発売日:2021/12/13

言語:日本語

単行本:432ページ

 

\読みたい本がきっと見つかる!/


(参考1)環境省|「エコジン|地域循環共生圏を知ろう!

(参考2)JICA|「池上彰と考えるSDG入門

環境を良くして稼ぐ。環境ビジネスの実用書|GREEN BUSINESS

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