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「毎日着れる服」は、地球にもやさしかった|YUDANGI(ユダンギ)が生み出す心地よい"油断"

服はどうやって土へ還る?

ここまで、YUDANGIが「作るとき」「着ているとき」の環境負荷まで考えられた服であることをご紹介してきました。では、たくさん着て、その役目を終えたあと、この服はどうなるのでしょうか。

YUDANGIが素材として採用しているウールは、羊の毛からできた天然素材。その主成分は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質です。そして、この動物由来のタンパク質は、土の中では微生物の働きによって分解されていきます。

(出典:ウールマーク)

映像は、土とウールをガラス越しに観察できる状態にして、定点カメラで記録したもの。時間の経過とともにウールが分解されていき、途中ではキノコが生えてくる様子まで確認できます。着なくなったら、ただ「捨てる」のではなく、自然の循環へ戻していくことができる。

服を買うとき、デザインや価格、着心地を考えることはあっても、「この服の最後」を想像する機会は、それほど多くないかもしれません。YUDANGIは、一着が生まれる瞬間だけではなく、役目を終えたその先まで見つめています。

子どもたちへ残したい未来

yudangiのキッズラインKinari

「土へ還る」というYUDANGIの考え方を、さらに一歩先へ進めたのが、キッズラインである「Kinari(キナリ)」です。

Kinariは、その名の通り、ウール本来のやさしい色合いを生かした無染色のシリーズ。染色工程そのものをなくすことで環境負荷をさらに抑え、縫製糸にもコットン100%の糸を採用しています。伸縮性のあるウール生地をコットン糸で縫うのは簡単ではなかったそうですが、縫製会社と試行錯誤を重ね、自然素材100%の一着を完成させました。

そしてYUDANGIが見据えているのは、「環境にやさしい子ども服を作ること」だけではありません。

井口さんは「服を捨てるんじゃなくて、土へ還せるという選択肢があることを知ってくれたら」という思いを語ります。この思いを形にする取り組みのひとつが、ウールの肥料化です。YUDANGIでは、ウール素材を肥料へと変える取り組みにも挑戦しています。

YUDANGIのウールから作られた肥料

▲ウールから作られた肥料の素

ただ服を土へ還して終わりではなく、その先にあるのは、服から生まれた肥料で植物や野菜を育てる未来。子ども達に向けたYUDANGIの「服育」は「食育」へとつながっていきます。

「自分が着ている洋服と、この肥料。そこから生まれてくる食べ物も、全部つながっているんだよっていうことを伝えていきたい」そう話す井口さん。

服も、土も、食べ物も、それぞれ別のものに見えるけれど、実はすべてが循環の中にある。そして、自分が何を選ぶかによって、その循環のあり方も変えていける。そんなことを、子どもたちに少しずつ伝えていきたいといいます。

着る、土へ還す、育てる、そして食べる。

一着の服から始まった物語が、やがて子どもたちの学びへ、そして未来の暮らしへつながっていく。

YUDANGIが子どもたちへ残そうとしているのは、服そのものだけではなく、「ものは捨てたら終わりではない」と考えるきっかけなのかもしれません。

実は、この「YUDANGI」を作っていたのは……

ここまでYUDANGIの着心地や素材、ものづくりの裏側、そして土へ還った先の未来までご紹介してきました。ところで、これほど衣服と向き合い、細部までこだわり抜いたYUDANGI。一体、どんなアパレルメーカーが作っているのだろう?と思った方もいるかもしれません。

実はYUDANGIを生み出したのは、筆記具メーカー「株式会社パイロットコーポレーション(PILOT)」の未来創造実験室「PILABOT(ピラボット)」。

PILABOT

「えっ、あのPILOTが服を?」と、意外に思いますよね。

PILABOTは、「人と創造力をつなぐ。」というPILOTのパーパスのもと、筆記具という枠にとらわれず、より自由な発想で新しい価値を探る未来創造実験室。そしてYUDANGIも、そんな実験的な取り組みから誕生したプロジェクトのひとつです。

PILABOTのメンバー

ここで、記事の冒頭でご紹介したYUDANGIのコンセプト、「創造は、心地よい油断から生まれる。」という言葉につながります。

「書く」という行為だけが、創造を生み出すわけではない。人が何かを考えたり、生み出したりするためには、まず心や身体が心地よい状態であることも大切なのではないか。そこで「創造する人そのものを支える服」という発想から、YUDANGIは形になっていきました。

一見すると意外な「筆記具」と「服」の組み合わせ。でも、ここまでYUDANGIの物語をたどってみると、実はその根っこには、どちらも人の創造を支えるという共通した思いがありました。

だからこそ、着心地だけで終わらない。素材や工場、端材の行方、さらには役目を終えた服の未来まで考えてみる。YUDANGIは、筆記具メーカーから生まれたからこそ実現できた、「創造する人のための服」という新しい発想の一着だったのです。

さいごに|カンキョーダイナリーのススメ

yudangiスタッフ着用

「サステナブルな服」と聞くと、「我慢が必要そう」「少し特別なもの」というイメージを持つ方もいるかもしれません。

でも、YUDANGIは少し違いました。

毎日心地よく過ごしたい。

服選びをもっとラクにしたい。

長くお気に入りの一着を着続けたい。

そんな何気ない願いを形にした結果、その一着は自然と環境にもやさしい服になっていました。無理をして環境に配慮するのではなく、自分にとって心地よい選択が、未来にもやさしい選択につながっていく。YUDANGIは、そんな新しい"サステナブルとの付き合い方"を教えてくれるブランドです。

エコジマ

この記事を書いた人

エコジマ

地球に良いことやってみた!」「環境問題解決カンパニーを探せ!」のほか各種取材・ライティング・デザイン制作などを担当。アウトドア・音楽が趣味のアクティブなデザイナー。家電や雑貨が好きで特にサステナブルを訴求する製品に目が無い。

「毎日着れる服」は、地球にもやさしかった|YUDANGI(ユダンギ)が生み出す心地よい"油断"

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