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CO2を資源に!カーボンリサイクルとは?|1分で学べる環境問題

CO2を資源に!カーボンリサイクルとは?|1分で学べる環境問題

カーボンリサイクルって何?

みどりさん

前にカーボンニュートラルについて教えてもらったけど、実際のところ2050年のカーボンニュートラル実現の目標に向けてどれくらい進んでいるのかしら?

いぬ

日本の温室効果ガス排出・吸収量は、約10億1,700万トンで、前年比4.2%(約4,490万トン)の減少だったよ。(2023年度/2025年4月発表)カーボンニュートラルに向けて減少傾向なんだ。ところで前に説明した森林による吸収以外にも二酸化炭素を減らす方法として「カーボンリサイクル」があるんだけど、ママは知ってる?

みどりさん

聞いたことがあるような気がするんだけど…忘れちゃったわ。CO2をリサイクルするってどういうこと?

いぬ

カーボンリサイクルとは、CO2を資源としてとらえ、製品や燃料に再利用しCO2排出を減らす取り組みのことだよ。

みどりさん

CO2って資源になるの?!それってすごいことじゃない!

いぬ

そうなんだ!排出されたCO2を回収・再利用することで、地球温暖化の改善につながるんだ。カーボンニュートラル実現に向けて研究が進んでいるんだよ。

みどりさん

具体的にはどういう方法で資源にするのかしら?詳しく教えてくれる?

いぬ

OK、任せて!説明するね!

 

\カーボンニュートラルとは?おさらいしよう!/

 

カーボンリサイクルの仕組みは?

①CO2の分離・回収

 

いぬ

まずはCO2の回収から!火力発電や都市ガスといったさまざまなエネルギーから排出されるCO2を「物理吸収法」「化学吸収法」などで分離・回収するよ!

みどりさん

二酸化炭素固定」や「CCS/CCUS」でも説明してもらったわね。物理回収はゼオライトや活性炭などの吸着剤に接触させて吸着する方法よね。化学吸収法はアルカリ性溶液にCO2を溶かす方法で、今は主流の固定技術だったわね。

いぬ

覚えていてくれて嬉しい!北川進氏がノーベル化学賞を受賞したことで有名になった「多孔性材料(MOF)」でも回収ができると期待されているんだ。この分離・回収の工程は設備も含め実証段階に進んでいるんだよ!

 

\二酸化炭素を固定するって?おさらいしよう!/

 

②CO2を資源として活用

 

いぬ

CO2を資源として活用することについても技術開発が続けられているよ。 CO2の再利用先としては以下の図を参考にしてね!

 

カーボンリサイクルのコンセプト

引用:資源エネルギー庁 | CO2削減の夢の技術!進む「カーボンリサイクル」の開発・実装(2021年4月)

 

 

みどりさん

CCS/CCUS」でも少し教えてもらったわね!結構幅広い使い道があるのね。

いぬ

事例としてよく挙げられるのがCO2を吸収するコンクリートにする使い道!コンクリートの混和材にCO2を吸収する材料を使うのと合わせて、セメント使用量を減らして製造時のCO2排出量も削減しているんだよ。
鉄筋が錆びやすくなるから鉄筋コンクリートに使えないっていう弱点はあるんだけど、もうすでに実用化されていて、道路の舗装ブロックなどに使われているんだ!

みどりさん

もう実用化されているのね!すごいことだわ!

いぬ

あとはパソコンの外装に使われる「ポリカーボネート」を、アルコール、CO2、フェノールを原料として開発・実用化した事例もあって、パソコンの生産などにつかわれているんだよ。
あとは排ガスから回収したCO2を再利用して作られたポリエチレン容器もあるんだよ!化粧品用ポリエチレン容器やシャンプーなど、さまざまな用途で利用可能な容器の生産も進んでいるんだ。

みどりさん

結構身近なものにもCO2を資源として使えるのね!色々実用化が進んでいる最中のようだけど、普及に向けての課題はどんなものがあるのかしら?

 

\ CO2を再利用するCCUSについておさらい/

 

\ ごみ処理場の焼却灰を活用したセメントも!/

 

普及に向けての課題は?

いぬ

カーボンリサイクルは発展途上の技術ということもあって、普及に向けての課題は大きく分けて3つあるよ。1つずつ説明していくね。

 

①リサイクル転換時のエネルギーの方が大きい

 

いぬ

カーボンリサイクル燃料の生成過程で必要となるエネルギーが、得られる燃料のエネルギー量を上回ることがあるよ。

みどりさん

つまり、カーボンリサイクルするために使っているエネルギーの方が大きくなってしまうってこと?

いぬ

そうなんだ。CO2の回収、処理、再利用の過程で消費するエネルギーが環境に影響するという意見もあるよ。

 

②CO2を排出する

 

いぬ

CO2を原料とした製品が焼却されるときや、カーボンリサイクル燃料を使用するときCO2を排出することも課題だよ。

みどりさん

そうか。再利用しても最終的に燃やしてしまえば結局CO2は発生するわね。

いぬ

いずれはCO2回収技術の低コスト化・普及が進んで、再びエネルギー利用・焼却時に排出されるCO2を回収して再利用するということも期待されるよ。

 

③膨大なコストがかかる

 

いぬ

カーボンリサイクルの技術の多くはCO2と水素を反応させるんだけど、その水素の製造に現在は化石燃料を使用しているんだ。カーボンリサイクルするのにCO2を排出していては意味がないから、CO2フリー水素(再エネ由来の水素)が必須になるんだよ。CO2フリー水素の製造にはコストがかかるんだ。

みどりさん

難しい問題ね…CO2を再利用して環境に良いことをしようとしているのに、そのためにCO2を排出していては本末転倒だもんね。

いぬ

大量製造や大量輸送を可能にするサプライチェーンの構築をする必要があるし、合わせて再生可能エネルギーの導入を促進させる必要もあるよ。それ以外にも水素ではないバイオマスなどのカーボンリサイクル技術の開発も期待されるんだ。カーボンリサイクルは2030年頃からの普及を目標にしていて、今はカーボンリサイクルに役立つ研究・技術開発・実証実験に着手している段階なんだ。今後の発展が期待されるところだね!

 

\製品の環境負荷を計る指標って?/

 

キーワードのまとめ

  • 「カーボンリサイクル」とは、CO2を資源としてとらえ、製品や燃料に再利用しCO2排出を減らす取り組みのこと。
  • カーボンリサイクルはCO2の分離、回収、資源として活用するという仕組み。
  • リサイクル転換時のエネルギーが大きいCO2を排出するコストがかかるなど、普及に向けての課題もある。2030年頃からの普及を目指して研究・開発・実証実験が進められている。

 

\環境問題に関する「英略語」を調べよう/


(参考)

環境省 | 2023年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量について(2025年4月)

資源エネルギー庁 | カーボンリサイクルについて

資源エネルギー庁 |カーボンリサイクルロードマップ(2023年6月)

資源エネルギー庁 | CO2削減の夢の技術!進む「カーボンリサイクル」の開発・実装(2021年4月)

資源エネルギー庁 | コンクリート・セメントで脱炭素社会を築く!?技術革新で資源もCO2も循環させる(2021年12月)

旭化成株式会社 | カーボンリサイクルを実現する旭化成のCO2ケミストリーのご紹介(2020年7月)

日本経済新聞 | ノーベル賞北川進氏、開発素材のMOF「CO2回収に効果」 省エネ期待(2025年11月)

環境省 | カーボンリサイクル燃料を取り巻く状況について(2025年6月)

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まとめ

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