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「毎日着れる服」は、地球にもやさしかった|YUDANGI(ユダンギ)が生み出す心地よい"油断"

実は、この服 “見えないところ”が一番すごかった。

デザインや肌触りだけでも十分に魅力的なYUDANGI。でも、取材を進めていくと、本当に驚かされたのは目には見えない部分へのこだわりでした。「実際に日常的に商品を着用し、様々なことを実験しているんです。」とお話ししてくれたのはもう一人の担当者 井口さん。そんな井口さんから飛び出したのが、こんなひと言。

PILABOT井口さん

「実はこのTシャツ、6か月くらい洗濯してないんです。」

そう言って見せてくれたのは、井口さん自身が着用していたYUDANGIです。襟元や袖、リュックが擦れる肩まわりなどを近くで見せてもらいましたが、長く着用しているとは思えないほどきれいな状態。取材では思わず、においまで確かめさせてもらうことに。

6ヶ月洗っていないYUDANGIの生地を嗅ぐ

▲においまで嗅がせてもらうカンキョーダイナリースタッフ。

長い期間着続けているのに関わらず、新品同様の「無臭」状態であることに驚き。

着用後に風通しのよい場所に掛けて休ませながら、状態を見て着続けているそう。それでも、なぜこんな着方ができるのでしょうか。その秘密のひとつが、YUDANGIに使われているウールという天然素材が持つ性質です。

ウールは、においが残りにくい防臭性に加え、繊維表面の性質によって汚れが付きにくい防汚性も備えています。そのため、状態に応じて洗濯の頻度を抑えられることも。

ウールの機能

取材中、日本では衣服を頻繁に洗濯する習慣があるからこそ、素材の特性を知って「洗いすぎない」という付き合い方もできるのでは、という話で会話が膨らみました。洗濯回数を抑えられれば、水や洗剤、電気の使用量を減らすことにもつながります。YUDANGIのサステナブル性は、服が作られるときだけではなく、私たちが着ている時間にも続いているのです。

さらにウールには、湿気を吸収・放出する吸放湿性や、衣服内の温度を快適に保つ体温調節機能もあります。暑い季節には余分な湿気や熱を逃がし、寒い季節には空気を含んで暖かさを保つ。だからこそ、YUDANGIは「ウール=冬服」というイメージにとらわれず、季節をまたいで着用しやすい一着になっています。

「長く着る」だけではなく、着ている間の環境負荷まで少なくしていく。見た目だけでは気づかなかったYUDANGIのすごさが、少しずつ見えてきました。

サステナブルにつながる

気づいたら完成する前から「サステナブル」だった

yudangiの特徴|工場も環境にやさしい
yudangiの特徴|国内生産で環境にやさしい
yudangiの特徴|生地を無駄なく使って環境にやさしい

YUDANGIの環境への配慮は、完成した服だけに表れているものではありません。取材を通して見えてきたのは、一着の服が生まれる前から、その役目を終えた後までを考えるものづくりでした。

構想段階から意識していたのは、できるだけゴミを出さないこと。
生地を裁断するときには端材が極力少なくなるよう工夫し、それでも残った生地についても「捨てる」のではなく、次の活用方法を考えています。さらに、生産を担う工場を選ぶ際にも、環境への取り組みを重視。生地づくりから縫製まで国内生産にこだわることで、輸送に伴う環境負荷を抑えることにもつなげています。

興味深いのは、こうした取り組みが「サステナブルな服を作ろう」と実施されたわけではないこと。取材では、ものづくりを考えるうえで「サステナブルであることは当たり前で、あまり主張したくなかった」という言葉も話されていました。

着心地のいい服を作る。長く愛用できるものにする。そして、作る過程で生まれるものにも責任を持つ。一つひとつ当たり前のこととして考えていったら、気づけばサステナブルだった。

YUDANGIの環境への向き合い方は、そんな自然体なものでした。

工場も、自分たちの目で確かめる。

YUDANGIのものづくりで印象的だったのが、「環境に配慮していると聞いたからOK」で終わらせない姿勢です。たとえば、生地の染色を担う国内工場。ここでは、染色によって真っ黒になった水を浄化し、不純物をろ過したうえで排水しています。また、オーガニック繊維製品の国際基準である「GOTS認証」を取得している工場では、排水などについても厳しい基準のもとで管理されているといいます。

それでも、担当者たちは資料だけで判断しませんでした。実際に工場まで足を運び、自分たちの目で確かめたそうです。

yudangi製造工場を見学する井口さん

そのとき井口さんが抱いた疑問が、なんとも率直でした。

「この排水された水に魚は住めるのかな。」「透明に見えているけど、本当に大丈夫?」「これは何だろう?」と、気になったことを一つずつ工場の方に尋ねていったといいます。

確認したのは水だけではありません。

工場で使われているバイオマスボイラーについても、

「そもそも、燃やしている燃料はどこから来ているんだろう?」

とさらに一歩踏み込んだそう。

yudangi製造工場の燃料で使われている地域で取り壊された廃屋から出る木材

そこで分かったのは、地域で取り壊された廃屋から出る木材や、使われなくなった学校机の天板などを粉砕し、燃料として活用していることでした。工場がある岐阜という地域の中で生まれた廃材を回収し、エネルギーとして循環させていたのです。

さらに取材では、工場の方が「サステナブル」「環境配慮」という言葉が今ほど一般的になる以前から、地域で操業する以上、周囲の畑などに影響を与えないよう、空気や水について考え続けてきたという話も聞かせてくれました。そんな姿勢について、井口さんは思わず「最高だなって思いました」と言葉を重ねます。

認証があるから安心するのではなく、現場へ行き、水を見て、燃料の出どころまで聞いてみる。そして、「この人たちとなら一緒に作れる」と納得してものづくりをする。完成したYUDANGIを見ているだけでは分からない、こうした地道な確認の積み重ねもまた、この一着への信頼につながっているのです。

端材も、ゴミにしない。

服を作る以上、どうしても生まれてしまうのが、生地を裁断したあとの「端材」です。YUDANGIでは裁断方法を工夫して端材そのものを減らしていますが、それでもゼロにはできません。では、服にはできないほど小さくなった生地をどうするのか。その答えのひとつが、「YUDANFU(ユダンフ)」のシュシュでした。

「もう小さくなって、服にもならないようなところをシュシュにしました」と岩崎さん。捨てられるはずだったYUDANGIの生地が、今度は日常で使える小物として新しい役割を与えられています。

YUDANFU

▲ガラスメーカーHARIOとのコラボ商品にはYUDANFUシュシュにガラスチャームが付属

そして目を引くのが、シュシュに付いた透明感のあるガラスチャーム。こちらは耐熱ガラスメーカーHARIOのアクセサリー部門HARIO Lampwork Factoryとのコラボレーションによるものです。

HARIO側でも製品を作る過程で生まれるガラスの端材があり、それを職人が一つひとつチャームへ加工。YUDANGIの生地の端材と、HARIOのガラスの端材。異なるものづくりの現場で生まれた“もったいない”が出会い、ひとつのアクセサリーへと生まれ変わりました。

さらに、こだわりはシュシュを入れるパッケージにまで及びます。

YUDANFU

▲YUDANFU(ユダンフ)シュシュのパッケージ

使用しているのは、竹やサトウキビの搾りかすなど、再生・未利用資源を原料としたパルプモールド。そこに段ボール製のスリーブを組み合わせています。しかも、「パッケージだから、開けたら捨てる」で終わらせないよう、しっかりとしたつくりに。薬入れや名刺の収納ケースなど、購入後も別の用途で使い続けられることを想定しているそうです。

端材を減らす。残った端材には、新しい役割をつくる。そして、それを包むものまで簡単にはゴミにしない。一着の服から生まれるものを「その先はどうする?」と考え続ける姿勢。YUDANGIのサステナブルなものづくりは、こんな細かなところにも息づいていました。

【次ページ】「服が土に還っていく!?」

エコジマ

この記事を書いた人

エコジマ

地球に良いことやってみた!」「環境問題解決カンパニーを探せ!」のほか各種取材・ライティング・デザイン制作などを担当。アウトドア・音楽が趣味のアクティブなデザイナー。家電や雑貨が好きで特にサステナブルを訴求する製品に目が無い。

「毎日着れる服」は、地球にもやさしかった|YUDANGI(ユダンギ)が生み出す心地よい"油断"

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