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「おいもさんの捨てない生活」 | 大切なものを使い切るためのヒントが満載!

「おいもさんの捨てない生活」 | 大切なものを使い切るためのヒントが満載!

ダイナリー図書館では、これからの地球のために、自分ごととして環境問題に取り組むキッカケとなれるよう、カンキョーダイナリー(環境>)おすすめの本や映画などをご紹介していきます。

何気なく捨てているものも、まだ活用できるかも!?暮らしを見直したくなるコミックエッセイ

何でもすぐ手に入る時代だからこそ、ライフスタイルを見直そう

本書の冒頭は、主人公「おいもさん」が、何度も繕った靴下や伸びたTシャツであちこち掃除をする場面から始まります。大切なものを最後まで使いつくし、「ありがとう」と感謝して手離す――そんな暮らしが気持ちいいというおいもさん。

この本では、ものを捨てるのが大の苦手というおいもさんが、リメイクやお手入れを通して日々の生活を楽しむ様子が丁寧に描かれています。また、クッキー缶を裁縫箱にして大事に使うおばあちゃんや、嫁入り道具の木ベラを40年も使っているお母さんなど、家族のエピソードがたくさん出てくるのもほっこりさせられます。

 

家にあるもので気軽にできる!試してみたくなるリメイク術

はぎれに小豆を入れて作るホットアイマスクや、履かなくなったズボンを再利用した枕カバーなど、簡単で実用的なリメイク・リユースのヒントが満載。ミシンは使わず、簡単な手順で作れるので、裁縫が苦手な人にも敷居が低いのが嬉しいです。アクリルたわしや新聞紙ゴミ箱、チラシの裏を活用したメモなど、おばあちゃんが教えてくれたような知恵も紹介されていて、今だからこそ暮らしに取り入れてみたいと思えます。

 

\お家に溜まりがちな紙袋もリメイク!/

 

お気に入りを長く使うためには、お手入れも必要

「使い切って捨てる」だけでなく、今あるものを長く使うことも大切ですよね。おいもさんの夫は洋服や靴をお手入れしながら長く使っています。プチプラの洋服はすぐ手に入るけれど、すぐに飽きてしまうのが難点。クローゼットの中にたくさん洋服はあるのに、着たい服がないというのもよくあることです。だからこそ、シンプルで上質なものを長く身につけることで、愛着を持てるという言葉に納得です。

おいもさんも夫におすすめされたシンプルな革靴をお手入れしながら7年履いているそう。「流行を取り入れたいときは小物で」というアイデアも素敵です。

 

本書はコミックエッセイで気軽に楽しく読みながら、暮らしを見直したくなるヒントがたっぷり詰まった一冊。無理せず、気になったものから取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

\野菜の皮や葉も捨てずに使える!/

 

1人当たりの1日ごみ排出量は851グラム!

令和7年3月に発表された環境省のデータによると、令和5年度のごみ総排出量は3,897万トン。1日あたり1人851グラムのごみを出していることがわかっています。この量は前年度からは約3%減ってはいるものの、ごみの最終処分場の残余年数を見ると、24.8年と横ばいの状況が続いています。日々の暮らしの中でひとりひとりがごみを減らすことは、持続可能な社会を作るために欠かせない取り組みだといえるでしょう。

 

ごみを減らすというと、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の「3R」という言葉を知っている方も多いのではないでしょうか。

 

たとえば、ごみの排出量が少ない自治体ランキングで、人口50万人以上の都市で3年連続で1位に輝いた東京都八王子市は、細かい分別回収や、食品ロスを減らすためのマッチングサービスの提供、段ボールコンポストの推進など、自治体が中心となってごみを減らすためのさまざまな取り組みが行われているそう。

 

また、人口10万人未満でごみ排出量の少ない自治体1位の長野県南牧村は、1人当たりの1日のごみの量が全国平均の半分以下の278.2グラム! 南牧村ではごみを細かく分別するだけでなく、生ごみの処理が住民に任されており、乾燥させた生ごみ以外は可燃ごみとして回収されず、各家庭で堆肥として再利用しているそう。生ごみは80%以上が水分のため、生ごみをそのまま可燃ごみにすると重量が増えるだけでなく、ごみ収集や焼却処理の効率を低下させる原因ともなってしまうのです。

 

このように一つ一つの取り組みは小さくても、毎日たくさんの人が取り組むことで全体のごみの量は大きく変わってくるということがわかります。

 

\令和の"R"の実践例は?/

 

【目次】

第1章 おいもさんは捨てられない

第2章 おいもさんは作って作って再利用

第3章 おいもさんはモノのありがたみを知る

第4章 おいもさんのエコバッグ攻防戦

第5章 おいもさんはお手入れをする

第6章 おいもさんの捨てない生活

【著者紹介】

安野いもこ(あんの いもこ)

漫画家。夫と二人暮らし。松田紀子主催「第3回コミックエッセイ描き方講座」にて準グランプリ受賞し、本作でデビュー。

 

【作品詳細】

出版社:オーバーラップ

発売日:2022/11/15

言語:日本語

単行本 176ページ

 

\読みたい本がきっと見つかる!/


(参考)

環境省 | 一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度)について(2025年3月)

東京都八王子市 | ごみ減量・リサイクル推進の取り組み

東京都八王子市 | 「タベスケHachioji」がお店と消費者をつなぎます

長野県南佐久郡南牧村 | ごみ処理

平丸真梨子

Profile

平丸真梨子

ライター・編集者。2児の母。名古屋市在住。子育てをきっかけに「エコな暮らし」や「ゴミの出ない暮らし」「プラスチックフリー」などに興味を持つ。環境問題をはじめ、気になる本をインスタグラムで発信中。

 

平丸さんのinstagramアカウントはこちら

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まとめ

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