そもそも量り売りとは?
量り売りとは、あらかじめ決められた容量や個数で包装された商品を買うのではなく、自分が必要な分だけ商品を取り、その重さや量に応じて代金を支払う販売方法です。お米や豆、ナッツ、ドライフルーツ、調味料などの食品をはじめ、最近ではシャンプーや洗剤といった日用品を扱うお店もあります。
量り売りの大きな特徴は、「少しだけ試してみたい」「家族で使い切れる分だけ欲しい」といった、それぞれの暮らしに合わせた買い方ができることです。必要以上に買わずに済むため、食品ロスの削減につながるほか、商品を包む袋やトレーなどの使い捨て容器を減らせる点でも注目されています。
昔は当たり前だった量り売り
▲三島食品から写真提供
今では「量り売り」と聞くと、環境意識の高い人が利用する少し特別な買い物という印象を持つ方も多いかもしれません。しかし、実は量り売りは昔の日本ではごく当たり前の販売方法でした。
昭和30年代頃までの商店街では、お米や豆、味噌、醤油、お茶、お菓子など、さまざまな食品が必要な分だけ量られて販売されていました。お客さんは家から瓶や容器を持参したり、お店で新聞紙や紙袋に包んでもらったりして買い物をしていたため、今のようなプラスチック製の容器や包装はほとんど使われていませんでした。
しかし、高度経済成長期を迎えると、私たちの買い物のスタイルは大きく変化します。全国各地にスーパーマーケットが広がり、あらかじめ工場で包装された商品が並ぶようになりました。商品を自分で手に取り、レジへ持っていくだけという手軽さや、品質が均一で衛生的であること、保存や輸送がしやすいことなどから、包装商品は急速に普及していきます。
こうして、必要な量だけ買う「量り売り」は次第に姿を消し、私たちの暮らしから遠い存在になっていきました。しかし近年、海洋プラスチックごみ問題や食品ロスへの関心が高まる中で、「必要な分だけ買う」という昔ながらの知恵が、環境にやさしい買い物として再び注目を集めています。量り売りは新しい取り組みではなく、実は私たちの暮らしの中に昔からあった文化なのです。
量り売りのメリットとデメリット
量り売りが環境にやさしい買い物として注目されている理由は、単にプラスチックごみを減らせるからだけではありません。日々の暮らしに取り入れることで、買い物そのものがより合理的で、自分に合ったスタイルへと変わる魅力があります。
まず大きなメリットは、使い捨ての容器包装を減らせることです。マイボトルや保存容器を繰り返し使うことで、食品トレーやレジ袋、ラップなどのゴミを減らすことができます。
また、必要な分だけ購入できるのも量り売りならではの魅力です。「あと少しだけ欲しい」「一人暮らしだから少量で十分」といったニーズにも柔軟に対応できるため、食べ切れずに捨ててしまう食品ロスの削減にもつながります。
さらに、ナッツやスパイス、雑穀など普段あまり購入しない食材も、少量から気軽に試せるため、新しい食との出会いが生まれることもあります。お店によっては、生産者や商品の背景について丁寧に説明してくれることも多く、「誰が、どのように作ったものなのか」を知りながら買い物ができる点も、量り売りならではの魅力といえるでしょう。

一方で、もちろんデメリットもあります。容器を持参する必要があることや、商品の重さを量るひと手間がかかることから、スーパーで包装済みの商品を購入するより時間がかかる場合があります。また、品質や生産方法にこだわった商品を取り扱うお店が多いため、一般的なスーパーと比べると価格が高く感じられることもあるでしょう。それでも近年、量り売りを取り入れるお店は全国で少しずつ増え、利用する人も広がっています。
「手間がかかるのに、なぜ広がっているのか。」
その理由を探るため、今回私たちは東京都三鷹市にある『量り売りとまちの台所|野の』さんを訪れ、実際に買い物を体験してきました。そこには、数字やデータだけでは分からない、量り売りならではの魅力がありました。
\スタッフが探訪した様子をレポート!/














