音楽と環境へのアプローチ
環境問題に興味を持ち始めたのは何がきっかけでしたか?
石山ゑり|そうですね。多分それはメンバーそれぞれで違ってくると思うんですけど、私で言うと、学生の頃から環境問題に興味がありました。深海合唱団をやろうと思ったのは、「音楽と環境問題を掛け合わせたい」と思ったからです。
misa|私はサステナブルの分野に関わる仕事をしているので環境問題には元々触れやすいところにいたんですが、深海合唱団に参加してインタビュー対談の企画や、記事の執筆をやっていくうちにさらに興味が湧いてきました。

▲VOCAL|misaさん
\misaさん・くみさんのインタビュー記事はコチラから!/
牧野くみ|私の地元は北海道でオホーツク海が近く漁業と関わりが深い町ということと、ご縁があってソロ活動で捕鯨やクジラに関するお仕事を音楽でするっていう機会をいただいたのをきっかけに、水産業に興味を持ちました。それでソロ活動でも魚とか海に関する楽曲を作るようになったんです。そうこうしてるうちに、水産庁ともご縁をいただき「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」というチームのメンバーになりました。
活動を通し、お魚の分野の課題をもっと他の業界の人に知ってもらうんだったら、アートとか音楽、エンタメと掛け合わせてやりたいという気持ちがあったので、深海合唱団のコンセプトには初期の頃から強く共感しています。1人じゃできないことや、手の届かないことも、グループだったらできる可能性があるなと思って積極的に参加しています。
これまで活動していて良かった瞬間は?
石山ゑり|それは毎回活動する度に思います。ライブでも、ビーチクリーンでも、お招きいただいたイベントに出ても、よかったなって思う瞬間はたくさんあって。音楽と環境・サステナブルを掛け合わせて表現してきたライブ活動で、関心を持ってくれた方々の繋がりの輪がどんどん広がっていっている感覚があり、それがすごく嬉しいですね。

▲2025.10.19に行われた「エコルフェス -2025 AUTUMN-」でのライブ模様。来場者は深海合唱団のライブを含め、様々な「エコ/サステナブル」なコンテンツに触れることができた。
ビーチクリーンや海洋プラスチックの展示など、音楽が直接関わってこない活動に関しても、深海合唱団としての活動を知ってくれてる人もそうでない人も参加してくれているので、環境やサステナブルに関心のなかった人と元々関心のあった人を境なく繋げる橋渡しができている現場を目にするとすごく励みになりますね。
ビーチクリーンやその他の環境活動はどのように始まったんですか?
石山ゑり|コロナで音楽活動が止まってしまったのがきっかけの1つだと思います。ライブとかが全然できなくて。そもそも集まって練習することもできなかった時に、Xで頻繁に発信してたんです。
それで海洋プラスチックからアクセサリーを作るアップサイクルブランドのカエルデザインさんを見つけたり、毎年参加している"おにぎりアクション"や"ハートアクション"といったSNSで参加できるチャリティーキャンペーンなども見つけたりとかしてたんですけど、その流れで海のことをたどっていくと、やっぱりゴミ拾いをしてる人たちがすごい多くて。

▲主催する「小さなプラスチックを集める会」
一度やってみたいと思い、葛西臨海公園で開催されていたビーチクリーンに参加をしてみました。アクセスも良く、また行きたいなと思ったんですが、あまり開催されていなくて。なので「じゃあ私たちが主催しよう」という感じで、ここをホームにやり始めました。
\スタッフも参加してきました!/
集めた海洋プラスチックは先ほど紹介したカエルデザインさんに送ってアクセサリーにアップサイクルしてもらっていたんですが、自分たちでも何かやってみようということで、ステージ装飾を作ってみたり、展示をしてみたり、シェイカー(楽器)にしてみたりと色々トライしています。

▲アップサイクルブランド|カエルデザインでアップサイクルされた海洋プラスチックのアクセサリー

▲ステージ装飾に生まれ変わった海洋プラスチックは美しさと儚さを併せ持つ。
牧野くみ|もう1つコロナ禍に始まったといえばフォトエッセイもそうですね。私は何かしら社会とアーティストは関わっていく必要があると思っているんです。コロナ禍で音楽活動ができなかったから始めたことではあったんですけど、音楽活動ができるようになった今でも、社会に貢献できることはしていきたいなと思っています。
▲3月8日の国際女性デーを記念した「深海合唱団 × ミモザ のフォトエッセイ」
音楽と環境活動を組み合わせる時に意識していることは?
石山ゑり|去年の冬至から、ライブと海洋プラスチックのステージ装飾などのコラボレーションをやり始めたんですが、それまではライブはライブ、ビーチクリーンはビーチクリーンって、分離してたんですよ。それがいろんな繋がりが増えてきたおかげもあって、それぞれのコンテンツを掛け合わせできるようになってきたんですけど、それでこのイベントを「環境啓蒙のイベントです。」と言って自分たちにとってもお客さんにとってもお堅い感じにするのは避けたくて。
普通にライブに興味があって遊びにきたら、面白い展示をやっていた。例えば前回の「巡り巡る音楽祭」でやってもらった「昆布の足湯」とか「フジツボを演奏する」みたいなおもしろビックリ!なものとかがあるとお客さんの記憶にも残るじゃないですか。

▲巡り巡る音楽祭で設けられた未活用昆布を利用した保湿効果のある「昆布の足湯」ブース
あと、来場してくれる人だけじゃなくって、私たち出演者だったり出店してもらう人とかも含めてみなさんが楽しんでほしいっていうのがあります。地球に良いことをやっている、紹介しているのに、その発信をしている側が楽しそうにやっていなかったらダメじゃないですか。
牧野くみ|どうしても環境っていうジャンルって、「堅い」か「意識高い」か「過激」かっていう見え方をしてしまうじゃないですか。でもそうじゃなくて、もっと気軽にできることはあるし、工夫すれば参加のハードルを下げることってできると思うんです。



















