物流のCO2を削減する!モーダルシフトについて解説!
こんな疑問を解決!
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モーダルシフトって何?

前に再配達の問題について教えてもらったけど、物流の際にトラックから出るCO2削減は課題よね。

そうなんだ。日本の物流の中心はトラックなんだけど、CO2排出が多くて環境負荷がかかるところが課題だよね。そんな物流において環境負荷の軽減に繋がる取り組みが推進されているんだよ。「モーダルシフト」ってママは知ってる?

モーダルシフト…初めて聞いたわ。

モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶で行うよう輸送方法を転換することをいうよ。

輸送手段をトラックから電車や船に切り替えることで、どれくらいのCO2が削減できるの?

1トンの貨物を1km運ぶ(=1トンキロ)ときに排出されるCO2の量をみると、トラック(営業用貨物車)が207gなのに対して、船舶は42g、鉄道は19gなんだ。(2023年度試算)

そんなにCO2排出量に違いがあるの!?びっくりだわ!

モーダルシフトにはメリットがいくつかあるんだ。詳しく説明するね!

引用:国土交通省 | 運輸部門における二酸化炭素排出量(2025年10月)
モーダルシフトのメリットは?
①CO2排出量削減による環境負荷軽減

大きなメリットは、CO2排出量削減かしら?

その通り!さっきも説明した通り、トラックと比較して船舶や鉄道の方がCO2排出量が少ないよ。トラックから船舶に切り替えると約80%、鉄道に切り替えると約91%のCO2排出量を削減できるんだよ!日本では温室効果ガスの中でも約92%をCO2が占めていて、地球温暖化の抑制のためにはCO2排出量を減らす必要があるんだ。

「カーボンニュートラル」実現のためにも、CO2の削減は重要ね。
\カーボンニュートラルって?おさらいしよう!/
②トラックドライバーの人手不足解消

物流業界では労働者不足が問題となっているんだよ。「再配達」の時に説明したけど、2024年問題と言って、荷物の量は増えるのに、ドライバーが働く時間は少なくなって、物流が停滞することが問題になっているんだ。

トラックよりも船や電車での輸送の方が少ない人でたくさんの荷物を運べるものね。

特に人手が不足しているのは、拘束時間が長い長距離輸送のドライバーなんだよ。輸送手段を船や鉄道に切り替える以外にも、トラックごとフェリーやRORO船(※)で移動する形のモーダルシフトもあるんだ。人手不足解消だけでなく、トラックドライバーの働き方改革にも役立っているんだよ!
(※)RORO船:貨物を積んだトラックやトレーラーが、そのまま自走して乗り込み運搬できる貨物用船舶のこと。貨物の積み(Roll on)下ろし(Roll off)のためのゲート(ランプウェイ)を有する貨物用の船舶のことをRORO船と呼ぶ。フェリーとは異なり、一般旅客は乗ることができない。
③輸送コストの削減(長距離輸送の場合)

船舶・鉄道で輸送をする場合長距離輸送のコストが削減されるよ。トラックドライバーは運転時間に関する制約があって、長距離輸送の場合は2人以上の人件費がかかるよ。さらに中継地点を経由したり、有料道路を経由するとよりコストがかかるんだ。

再配達の時に教えてもらったように、ドライバーの働き方改革で残業時間の上限が決められているから2人以上の人員が必要になるのね。それに、船や鉄道なら有料道路を通るコストもかからないのね。

あと、トラックよりも船や鉄道の方がたくさんの荷物を積めるから、一度に大量の荷物を輸送することができるよ。だから長距離になればなるほど、結果的に輸送コストが安くなるんだ。

色々なメリットがあるのね。でも、いまだにトラックが輸送の中心になっているのよね。導入のためにどんな課題があるのかしら?
\再配達の問題についておさらい/
モーダルシフト導入のための課題は?

ママが言うように、トラックが輸送の中心になっている状況はあまり変わっていないんだ。導入のための課題について説明するね。
①輸送時間が長引く、柔軟な輸送が難しい

船や鉄道は発着時間が決まっているから、トラックよりも輸送に時間がかかる場合があるよ。さらに、工場から出発地、到着地から納入先までの積み下ろしの時間や移動時間がかかるから、結果的にトラックよりも輸送時間が長引く場合が多いんだ。他にも納品先が希望するタイミングでの到着が難しいと言うところも課題なんだ。

船や鉄道はダイヤが決まっているものね。鮮度が命の食料品の輸送には向かないかもしれないわね。
②天候による遅延・運休の可能性がある

船や鉄道は天候の影響を受けやすくて、発着時間が大きく変化したり、運休してしまう可能性があるんだ。トラックでの輸送でも天候の影響は受けるけど輸送不能にはなりにくいし、道路の方が復旧の目途が立ちやすいよ。

最近大型台風や集中豪雨、大雪といった自然災害が多いものね。確かに災害のリスクは考えておかなければいけないわね。
③輸送コストが高くなる(短・中距離の場合)

船や鉄道での輸送は長距離輸送を前提に考えられていて、500㎞以内の短距離、中距離の移動はモーダルシフトを導入するとかえってコストが高くなる可能性があるよ。

短い距離の場合は確かに鉄道や船を使うメリットはあまりないかもしれないわね。

そうなんだ。ただし、国土交通省や地方自治体がモーダルシフト推進の取り組みとして補助金の交付が進んでいたりするし、モーダルシフトは色々な事例が出てきているんだ。今後も事例が少しずつ増えてきて、モーダルシフトが定番化していくと良いよね。
\製造から廃棄までの製品の環境負荷を計る指標って?/
キーワードのまとめ
- 「モーダルシフト」とは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶で行うよう輸送方法を転換すること。
- モーダルシフトによってCO2排出削減やトラックドライバーの人手不足解消、長距離輸送時の輸送コスト削減といったメリットがある。
- 輸送時間が長引く、天候の影響によって遅延・運休する可能性がある、短・中距離輸送の場合はトラックよりもコストがかかるなど、導入にあたっての課題もある。
\環境問題に関する「英略語」を調べよう/
(参考)
国土交通省 | モーダルシフトとは
グリーン物流パートナーシップ会議 | 令和4年度 国土交通大臣表彰
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA) |日本における温室効果ガス別排出量(2023年度)
Yahooニュース | 寝てるだけで目的地に近づく!ドライバーにも環境にも優しい「トラック+船or鉄道」のモーダルシフトがいま注目されている(2025年8月)
日本内港海運組合総連合会 内港海運キッズページ ふれんどシップ | 船図鑑 RORO船
公益社団法人 全日本トラック協会 | モーダルシフトに向けた現状と課題
国土交通省 | 貨物輸送の現況について(参考データ)






















