第1問 回答
クマたちがわざわざ危険な街までエサをさがしに来る、一番大きな理由はなんでしょう?
A. 街の居心地が良いから
B. 人間の食べ物が好きだから
C. 探検するのが好きだから
D. 山のエサが減ったから
答え:D. 山のエサが減ったから
なぜ山のエサが減っているの?
環境省や林野庁の報告によると、秋にクマが街へ大量に出没する大きな要因は、主食である「ブナ」や「ミズナラ」の実(ドングリのなかま)が山でたくさん実らない年(凶作の年)になることです。
その背景には地球温暖化や気候変動が関係していると考えられています。気温上昇や異常気象によって、毎年安定して育っていたドングリが実らない年が増え、冬眠前の栄養をたくわえたいクマたちが、やむを得ず柿や栗、生ゴミなどを求めて人里へ下りてくるようになったのです。
実際に2025年度は、クマによるケガ人の数も238人と過去最も多く、山のエサ不足の深刻さがうかがえます。
また、過疎化などで人と森の境界線だった「里山(人が手入れをしてきた山や田畑のまわりの土地)」の手入れがされなくなり、山と街の境界がぼやけたことも原因の1つとされています。
その他の選択肢について
A. 街の居心地が良いから
車や人が多く騒がしいため、クマにとって街は危険とストレスが伴う場所です。
B. 人間の食べ物が好きだから
最初から好きなわけではありません。山に食べ物がないため街で生ゴミなどを食べ、味を覚えてしまった(学習した)結果です。
C. 探検するのが好きだから
クマにとっても人間がくらす場所は本来リスクのある危険な場所です。好きで来ているわけではありません。
第2問 回答
クマがくらす森では、いろいろな生き物が食べたり食べられたりしながら、つながり合って生きています。ところが、森にくらす生き物の数や関係が変わると、森全体の環境にも大きな影響が出ることがあります。日本の山で増えすぎている「ニホンジカ」も、そのひとつです。
森のバランスがくずれたことで、日本の山では「ニホンジカ」が増えすぎて葉っぱや芽を食べつくし、山がはげ山になってしまう被害が起きています。シカがこんなに増えてしまうきっかけとなった理由はなんでしょう?
A. エサをあげすぎた
B. 人が天敵を絶滅させた
C. 外国から連れてきた
D. 逃げ出すシカが増えた
答え:B. 人が天敵を絶滅させた
絶滅した「ニホンオオカミ」と生態系の崩壊
日本のニホンジカがここまで増えてしまった大きな要因の1つが、かつて生態系の頂点にいた「ニホンオオカミ」の絶滅です。
明治時代、害獣駆除や狂犬病の流行などによって人間がニホンオオカミを絶滅させてしまいました。
天敵がいなくなったことでシカの数が急速に増え、さらに地球温暖化によって冬の雪が減ってシカが冬を越しやすくなったことや、狩猟をする人の減少も重なり、爆発的に増えてしまったのです。
シカが増えすぎると、森の木々の皮や芽を食べつくしてしまい、草木が生えない「はげ山」になります。すると土砂くずれが起きやすくなったり、他の小さな生き物がすみかを失ったりして、森全体の生態系(生き物どうしのつながりやバランス)が崩壊してしまいます。
その他の選択肢について
A. エサをあげすぎたから
野生のシカに人が意図的に大量のエサをあげて増えたわけではありません。
C. 外国から連れてきたから
ニホンジカはもともと日本に生息している在来種(もとから日本にいる生き物)です。
D. 逃げ出すシカが増えたから
家畜から逃げ出したわけではなく、野生の個体数が天敵の不在などによって増加したためです。
第3問 回答
クマは本来、冬になると穴にこもって「冬眠(とうみん)」をします。しかし、最近は冬になっても寝ないで動き回るクマが確認されています。それはなぜでしょう?
A. 冬が暖かくなったから
B. 昼夜逆転してしまったから
C. 冬眠のやり方を忘れたから
D. 運動不足を解消したいから
答え:A. 冬が暖かくなったから
暖冬と「あなごもり」をしないクマ
クマは、冬の厳しい寒さとエサ不足をのりきるために「冬眠(穴ごもり)」をします。
しかし、近年問題になっているのが「地球温暖化による暖冬」です。
冬になっても気温が高く、雪があまり降らない状態が続くと、クマの体内時計や生理的リズムが狂ってしまいます。また、冬でも街近くに柿の実やゴミなどのエサが残っていると、クマは「寝なくてもエサが手に入る」と判断し、冬眠に入らなかったり、冬眠期間が極端に短くなったりします。
その結果、冬の間もエサを求めて人里近くをさまよう「冬の出没」が発生しているのです。
その他の選択肢について
B. 昼夜逆転してしまったから
生活リズムの乱れではなく、気温や食料環境といった季節性の変化が影響しています。
C. 冬眠のやり方を忘れたから
冬眠は本能的な行動なので、やり方を「忘れる」わけではありません。
D. 運動不足を解消したいから
運動のためではなく、生存のための体温調整や食料確保の行動です。
まとめ
クマやシカの問題は、一見すると「動物の暴走」のように見えますが、実は温暖化や人間が生態系を傷つけてきた歴史と深くつながっています。
私たちが暮らす環境を守ることは、森の生き物たちのくらしを守り、めぐりめぐって人間と野生動物が安心・安全に共存できる未来をつくることにつながっているのです。
出典:
- 環境省「クマ類の出没情報について(速報値)」(2026年5月11日更新)|https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/syutubotu.pdf
- 環境省「クマ類による人身被害について(速報値)」(2026年4月7日更新)|https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/injury-qe.pdf
- 環境省「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(ニホンジカ編)」|https://www.env.go.jp/nature/choju/plan/plan3-2e/index.html
- 環境省自然環境局「野生鳥獣被害対策・いま獲らなければならない理由」|https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5/imatora_fin.pdf
- 林野庁「森林における鳥獣害対策について」|https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/attach/pdf/tyouju-104.pdf
- 環境省「クマ類出没対応マニュアル」|https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-4a/













