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気象予報士くぼてんき|ポイントは楽しむこと!天気と環境の話

温暖化じゃなくて極端化?
気象予報士くぼてんきが、天気・気候から見る環境問題

地球温暖化とは何ですか?原因は?



文字通り「地球の温度がだんだん暖かくなっていること」。ただ、最近も季節外れの大雪が降ったのが地球温暖化の影響だと言われているのですが、子どもたちには「何で暖かいのに雪降るの?」って絶対に言われます。なので個人的には、暑い日と寒い日の差が激しくなってバランスが悪くなっている。「温暖化」と言うよりは「極端化」って言うのが分かりやすいのかなと思っています。ただ平均すると徐々に上がっているのも事実なので、気温上昇は緩やかにしていく必要はありますね。




原因は色々あると思いますが、基本的には「もったいないことをやりすぎたこと」。みんながちょっと我慢したり、ちょっと分け与えたりとかできればそんなに大変なことにはならないですよね。冷房も、部屋の中は涼しいけど部屋の外は室外機で温度が上がって、「地球の温度はプラスになるのか、マイナスになるのか」なんて子どもと話したりするんですけど、「何もしなかった時の方がちょうど良かったんじゃない?」って思ったりします。答えは出ないんですけどね。

天気と地球温暖化はどのように関係しているのですか?

日本の上空は西から東に流れる偏西風があります。それが蛇行してくると、北に蛇行した部分は暖気が入り、南に蛇行した部分は寒気が入るんです。人間もプラスとマイナスの差が大きくなると、体がついていかず、体調が悪くなる。地球も人間と同じで、「暖かい」と「冷たい」が同時に存在して負荷がかかるんです。




気温の上昇は、食べ物に影響を与えています。例えば、昔はお米の名産地といえば新潟でしたが、最近では北海道でもたくさん取れるようになってきました。日本で言えば北海道が一番北ですが、もっと暑くなったらどこのを食べるんだろう、と。近くで作ったものを食べる「地産地消」の方がトラックで運ばない分、二酸化炭素や排気ガスも出ず環境には良いのですが、それが地球温暖化でできなくなっているのは「やばいな」って思います。

あとは、俗に言う「ゲリラ豪雨」。専門的には1時間に50mm以上の雨が降る「短時間強雨」と言うのですが、その頻度が増えています。雨も毎日ちょっとずつ降っていれば全然怖くないんですけど、降らない日が続く干ばつとか、1日に100mmくらい降って土砂崩れ、とか。地球では暖かいところもあれば寒いところもあって、それを混ぜるために風が吹いたりして天気が動くので、できるだけ寒暖差が少なくちょうど良いくらいにできれば、災害はかなり減ると思います。




天気予報では、天気が穏やかなときはゆったり、ちょっと楽しいことも織り交ぜて話せるのですが、大荒れの時には言わなくちゃいけないことがいっぱい出てきます。異常な事が起きると忙しくなるんですよね。直接すぐに影響はなくても、ガソリンの値段が上がったとか、大根の値段が2.5倍になったとか、一般の人にとっても大変なこと、心配なことが増えてしまいます

プラスチックや二酸化炭素が及ぼす気候変動への影響

私たちが排出するCO2と気候変動はどのように繋がっているのですか?

CO2自体が熱を吸収するものなので、増えれば増えるほど気温が上がりやすいのは間違いないと思います。ゼロになっちゃうと地球の温度がマイナスになっちゃうんで、適度になくちゃいけない。だから今の生活と同じくらいの生活を続けたいのであれば、違う面でカバーするしかないんです。分かりやすいのは木を植えること。育てて消えて…って循環させないといけません。若い木に光を当てて育てるために、間伐するのはプラスになるので、CO2の吸収率の高い木を育てつつ、低くなった木を資源として使う方が良いですね。

拡大生産者責任(EPR)※を問われる使い捨てプラスチックの使用。気候変動とも関係はあるのでしょうか?

まず、プラスチックゴミを海に流すとか、勝手に燃やして埋めるとか、絶対いつか影響は受けますよね。今すぐに影響がなくても近い将来には、さらに裕福な暮らしのために吐き出し、埋め続けていれば、地球温暖化も間違いなく進んでいくと思います。




プラスチックの製造や処理で発生する二酸化炭素などの物質については、二酸化炭素が全て悪いわけではないものの、空気がどこまで熱を帯びて暑くなるかと関係していますし、CO2よりももっと熱を吸収してしまう気体があればもっと気温は上がるので、もしそのような気体がプラスチックゴミの燃焼で出ているのであれば、もっと暑くなる可能性はありますね。

使い捨てのプラスチックを減らすために、ちょっと不便になるけど昔みたいに計り売りに戻したり、紙袋のような自然に還る袋を増やしたり。ちょっと戻りつつ、新しい便利なものも育てつつ、同時進行で行くしかないですよね。あとは子どもの面白い発想。大人になると考え方が凝り固まってきて、「こんなことくらいしかできないだろうな」って諦めるんですけど、子どもはいろんなことを発見するので、それをこれからも聞くために、僕も話す活動を続けていかなくちゃいけないなって思いますね。


拡大生産者責任(EPR)|OECD(経済協力開発機構)が提唱した、生産者が製品の生産・使用段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで、生産者が責任を負うという考え方。生産者が使用済み製品を回収、リサイクルまたは廃棄し、その費用も負担すること。




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