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ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025 | 環境活動探訪記

ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025 | 環境活動探訪記

紙加工メーカー大昭和紙工産業が運営するカンキョーダイナリー(環境>)では、環境問題に関わる現場からも学びのある情報をわかりやすく発信中!
今回は大昭和紙工産業株式会社が協賛している、環境保全団体「特定非営利活動法人サンクチュアリエヌピーオー」の活動拠点である静岡県浜松市を訪ね、海の環境を守る3つのボランティア活動の一つである子ガメの放流を体験してきました。

遠州灘海岸を守るサンクチュアリエヌピーオーとは?

サンクチュアリネイチャーセンター_ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025_環境活動探訪記

 

浜松市の南部に位置する中田島砂丘は、日本三代砂丘の一つ。ウミガメが毎年産卵にやってくる美しい海岸です。そのすぐ横に本部を構える海洋保全団体 サンクチュアリエヌピーオーは1986年からアカウミガメの調査・保護活動を始めた歴史の長い団体です。
現在の主な活動はマイクロプラスチックプロジェクト(ビーチクリーン活動)、砂浜の回復活動ウミガメの生態調査・保護活動、自然環境保護・啓発・体験型環境教育などです。

 

絶滅の危機にあるウミガメ

ウミガメのイメージ_ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025_環境活動探訪記

 

ウミガメは絶滅危惧種です。減少の要因は、砂浜の減少・海洋汚染・乱獲など、人間によってもたらされています。世界には、8種類のウミガメが生息していますが、いずれも絶滅危惧種に指定されています。今回放流体験をさせていただくアカウミガメは「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」とされる「絶滅危惧ⅠB類(EN)」に指定されています。

 

アカウミガメが産卵にやってくる遠州灘海岸は、浜松市中心部より5キロほどの距離にあり市街地に隣接しているため、人間の生活環境の変化に大きな影響を受けています。卵が盗掘されたり、子ガメが人工光に引き寄せられ海ではなく陸に上がってきてしまったり、車に踏み潰されてしまったり、プラスチックを誤飲してしまったりと様々な問題があります。
サンクチュアリエヌピーオーは、海岸を綺麗にし砂浜の回復活動を続けながら、アカウミガメが産卵した卵を保護、自然の環境のまま孵化するまで保護柵で囲い、子ガメが海に旅立つまで見届ける活動を行っています。

 

\絶滅危惧種に指定されている意外なあの動物は?!/

 

「子ガメ観察会」を実施する目的とは?

サンクチュアリNPO代表馬塚氏_ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025_環境活動探訪記

▲サンクチュアリエヌピーオー代表の馬塚氏

 

多くの専門家が指摘する通り、孵化場での卵の保護や観察会だけでは、本当の意味でウミガメを保護しているとはいえず、砂浜の状態の回復が必要不可欠だとされています。サンクチュアリエヌピーオー代表の馬塚氏も、野生生物のウミガメは本来自然のまま繁殖されるべきだと考えています。孵化場を設け、観察会を開催する理由は主に二つあるそうです。

 

1つ目はウミガメの孵化を妨げる状況を防げないから。遠州灘海岸に隣接する市街地に暮らす人間の影響を避けられず、砂浜の荒廃やごみの散乱など、ウミガメの孵化を妨げる状況が改善されないため、卵の保護と子ガメの放流に取り組んでいます。

 

2つ目は次世代を担う子どもたちに、その重要性を伝えたいから。砂浜をいつまでも美しく保ち、ウミガメが生息する浜辺が、人間にとっても理想的な環境であるということを肌で感じてもらうため、ウミガメの観察会を開催しています。

 

ウミガメの旅立ちを見届けてきました

孵化した子ガメ_ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025_環境活動探訪記

 

ウミガメ保護柵近くの浜辺で、アカウミガメの子ガメたちとご対面しました。
今日は250匹の子ガメが孵化したそう。8月中旬から10月上旬にかけて多い日には約400匹の子ガメが自然に孵化していますが、今年は猛暑日が続き暑さで孵化しない子ガメがたくさんいたため、温度調節をするなど工夫して卵を保護しているそうです。

 

子ガメ_ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025_環境活動探訪記

 

ウミガメの中でも大型になるアカウミガメですが、孵化したての子ガメは体長6~7cm。甲羅をそっと持つと、パタパタと動かすヒレが手に触れ、意外な力強さに驚きます!孵化する際にも穴の中からの脱出が必要な子ガメたちですが、そんな困難を無事乗り越え、生まれてきてくれた小さな命がとても愛おしく感じました。

 

子ガメ放流1_ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025_環境活動探訪記

子ガメ放流2_ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025_環境活動探訪記

 

子ガメと触れ合った後は、大海原へと送り出します。波に押し戻されて戻ってきてしまう子ガメ、ひっくり返ってしまう子ガメたちもいましたが、無事に全ての子ガメたちを見送ることができました。

 

子ガメ放流3_ウミガメの旅立ちを見届ける!子ガメ放流2025_環境活動探訪記

 

親に成長を見守られることのないウミガメが自然界で生きていくには様々な試練があります。卵から親ガメになるまで成長する確率は、推定で1000分の1ぐらいとも言われています。

海へ旅立ち、いずれ大人になったウミガメたちが産卵のためまた海岸に戻ってこられるように。私たちにできることはないのだろうかと強く思った貴重な体験となりました。

 

\動画公開中!/

 

子ガメ観察会は毎年8月中旬〜10月上旬まで実施しています。ご興味がある方はぜひ来年、訪れてみてください。

 

 

マイクロプラスチックゼロプロジェクトは年中開催中。アカウミガメが安心して産卵できる環境を作る活動にも参加してみませんか?

 

 

サンクチュアリエヌピーオー webサイト:https://www.sanctuarynpo.jp/

 


\スタッフが探訪した様子をレポート!/


カンキョーダイナリーでは、環境問題に対していま私たちができることを、「紙で環境対策」という視点で情報発信しています。カンキョーダイナリーとコラボしたい方、運営会社である紙加工メーカー大昭和紙工産業の取り組みについて興味のある方など、お気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせ


参考・引用文献

WWFジャパン|絶滅の危機が迫る、ウミガメについて

環境省「いきものログ」|レッドリスト・レッドデータブック

特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会付属 黒島研究所|うみがめ Q&A (海亀のナゾについて)

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まとめ

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