ダイナリー図書館では、これからの地球のために、自分ごととして環境問題に取り組むキッカケとなれるよう、カンキョーダイナリー(環境>)おすすめの本や映画などをご紹介していきます。
今回は、環境系エンターテイナーとして活動するWoWキツネザルさんが書いた『絶滅体験レストラン もしも環境問題が13の飲食店だったら』を紹介します。
『絶滅体験レストラン』へようこそ!身近に潜む環境問題のリアルな現状
自分ごとと捉えて未来をイメージしてみよう
いま世界中では、気候変動や人間活動による環境破壊が想像を超えるスピードで進んでいます。しかし、難解な専門用語や数値ばかりでは、問題の深刻さが伝わりにくいのが現実です。
『絶滅体験レストラン』は、私たちの暮らしにかかせない「食」をテーマに、地球規模で起きている環境問題や生物の絶滅リスクを疑似体験できる書籍です。「もしもこんなお店やこんなメニューがあったら?」という視点から、環境破壊や気候変動といった大きなテーマを分かりやすく解説しています。
環境問題を「自分ごと」としてリアルにイメージできる一冊として注目を集めています。
あなたの好物はもう食べられないかも…?
編集スタッフが本書を読んで特にハッとさせられたのは、日常のふとした出来事や大好きな食べ物が、実は環境問題と深く結びついていたということです。
近年増えている猛烈な台風や線状降水帯などの気象災害、さらには感染症の流行までもが環境破壊と無関係ではありません。また、SNSで「かわいい!」と話題のコツメカワウソや、薬・ファッションのために犠牲になる動物たちなど、私たちの消費行動の影にある悲しいリアルにも気付かされます。
人気の高い食材であるウナギや、朝の定番であるコーヒーも環境危機の影響を受けていることを知りました。食卓の未来が脅かされている実態が描かれています。
気になった方はぜひ手にとって、ご自身の「食」と地球の未来について考えてみませんか?
私たちにできること・今日から始める身近な3つのアクション

本書を通して最も痛感させられるのは、多くの人が環境問題を「無関心」や「他人ごと」と捉えていることです。未来を変えるために、まずは今日からできるアクションを3つご紹介します。
①「可愛い」「欲しい」の背景を一歩立ち止まって調べる
SNSで話題の動物を見て「可愛いから飼いたい」と思ったり、トレンドの服を「安いから欲しい」と感じたりしたとき、その背景を一歩立ち止まって調べる癖をつけましょう。例えば、人気の裏で乱獲や密輸が問題化している希少動物や、過酷な労働環境・資源の乱獲によって大量生産されるファッションアイテムも存在します。
購入する前に「どこから来たのか」「持続可能な方法で作られているか」を少し気にするだけでも、環境破壊や動物の犠牲を防ぐ選択につながります。
②フードロスと衣類の衝動買いを減らす
日々の暮らしで最も取り組みやすいのが、食事と洋服の見直しです。食品のお買い物では「必要な分だけ買って残さず食べきる」ことを徹底し、家庭からのフードロスを減らしましょう。また、服を購入する際も衝動買いを避け「本当に気に入ったものを長く大切に着る」意識を持つことが大切です。
日本では毎年膨大な量の衣類が廃棄されています。だからこそ、買い方と使い方を工夫することが、ごみの減量や地球資源の保護につながります。
③知ったこと・感じたことを家族や友人に話してみる
環境問題を解決するための第一歩は「知ること」そして「周囲と共有すること」です。完璧なエコ活動を目指す必要はありません。「実は、気候変動で2050年にはコーヒーが飲めなくなるかもしれないらしいよ」「日本のゴミ焼却率は世界トップクラスなんだって」といった、本書で知った驚きの事実を家族や友人に共有してみましょう。
何気ない日常の会話の中で話題に挙げることが、周囲の「無関心」を解消し、一緒に未来を考えるきっかけになります。
紹介した本の書籍情報
【目次】
はじめに
絶滅体験レストラン
絶滅体験レストランへようこそ
01 ラーメン|山火事ラーメン 拡大する世界の山火事被害
02 メイドカフェ|メイド喫茶LOVE LOVE ハリケーン
地球温暖化で台風が強大化し、被害も大きく
03 ダイナー|ポーラーメルトダイナー
地球全体に影響を及ぼす極地の環境変化
04 ホストクラブ|ロイヤルオーシャン
海の変化が地球を覆う
05 ビアホール|ロストトロピカル
変わる野生動物と人との関係
06 スナック|スナックマダニ
壊れる境界線と人獣共通感染症
07 和食|とんかつ 乱獲亭
野生動物の利用と保護・管理の現実
08バー|隠れ家バー共犯者
絶滅危惧種ニホンウナギの不都合な真実
09 鮨|KAWAII SUSHI
野生動物の「カワイイ」という消費
10 フードコート|ヨソモノ横丁
生態系を破壊する侵略的外来種
11 イタリアン|ピッツェリア チャオ・ゴミーノ
便利の先にある大量消費の歪み
12 カフェ|純喫茶ミツバチ
昆虫と人類 ~コーヒーカップに満たされる死骸と悲哀
13 ドーナツ店|トゥルードーナツ
「わたしの真実」が暴走するSNS
絶滅を注文しないためのおすすめ情報源
あとがき
【著者紹介】
WoWキツネザル(ワオキツネザル)
マダガスカルに生息する絶滅危惧種のワオキツネザルをモチーフに、軽快なトークで環境問題や生物多様性を学ぶきっかけを生み出す富山県出身の環境系エンターテイナー。環境問題・生物多様性に関する企画・制作・出演を手掛ける。無関心層がいかにワクワク楽しみながら環境問題を知り、考えるきっかけになるかを第一に考えた企画づくりをしている。環境省、東京都、富山県、石川県、サラヤ株式会社、日本クマネットワーク、九州朝日放送、上野動物園など省庁や企業、NPO、メディア、動物園水族館とコラボを行い、教育機関や行政からの講演依頼も多い。日本各地のみならず海外取材も行なっている。
【商品詳細】
出版社:株式会社山川出版社
発売日:2024/5/5
言語:日本語
単行本 128ページ
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