SDGs達成のための取り組みが多くの企業で行われる中、商品のパッケージにもサステナブルな取り組みが求められています。カンキョーダイナリーを運営する紙加工メーカー大昭和紙工産業では、「紙で環境対策」を掲げ、紙化の取り組みを推進中。SDGs時代のサステナブルな包装資材として紙製パッケージをおすすめする理由を、全4回の連載の中で解説していきます。第2回となる今回は、紙箱についてご紹介します。
紙箱とは?
バレンタインやクリスマス、誕生日プレゼントなど、大切な人への贈り物のシーンで活躍する紙箱。プラスチックやガラス、金属、木など包装容器にも様々な材質がありますが、その中でも紙を使用した容器やパッケージを紙箱と呼びます。
包装容器には、ただ中身を守るだけではなく、商品に付加価値を与え消費者に向けてブランドの魅力をアピールする役割があります。美しく個性的な見た目にしたい、高級な印象を感じる手触りにしたいなど、パッケージでブランドイメージを伝えるにはどうしたら良いか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
紙箱には紙としての特性から、形状設計や印刷など、ブランドの世界観を表現するための選択肢が豊富にあるのが特徴です。また、仕様によっては折りたたむことができるので、在庫スペースを取らないのもメリットのひとつ。近年では、環境配慮へのニーズが高まっており、プラスチック製の包装容器からの切り替えで、紙箱を検討される企業も増えてきています。
紙箱の種類
それでは、紙箱にはどんな種類があるのでしょうか?ここでは、大昭和紙工産業で製造している代表的な紙箱をご紹介します。それぞれの特徴を知って、紙箱選びの参考にしてみてください。
貼箱(身蓋式)
板紙と呼ばれる、ある程度厚みのある紙の表面に洋紙、和紙など様々な色・風合いの紙を貼り合わせて仕上げた紙箱。組み立てが不要で、紙を貼り合わせている分、一般的な化粧箱に比べ、強度を持たせることができます。贈答品やアクセサリーなど、高価なギフトボックスとしても人気です。
組箱(身蓋式)
ツーピースでフタと身箱が組み合わされる仕様で、糊付けをせず折って組み立てる紙箱。平らな状態で納品され省スペースで保管が可能です。お中元・お歳暮などの催事イベントのギフトケースとしてもご活用いただいています。
ワンタッチ底
箱の底の一部が接着処理されており、箱を開くだけで簡単に底が組み立てられる紙箱。店舗現場での作業も非常に簡単で作業効率が良く、在庫スペースも取らないメリットがあります。底抜けしにくい仕様なので、化粧品や飲料品など重さのある商品を入れるのに重宝します。
地獄底
4つのベロを組み合わせて差し込むことで、糊を使わずに底を組み立てられる紙箱です。ワンタッチ底に比べると、底の組立てに比較的手間がかかりますが、接着コストが安く箱の保管スペースも少なく済みます。香水や化粧品、雑貨など重さのある商品のパッケージに適しています。
オリジナル形状
特殊な形状の紙箱。これまでご紹介した定型の形状ではなく、カットラインでデザイン性を持たせたり複数の商品を同時に入れる箱など、用途や商品に合わせた形状にすることができます。同業他社と差別化したい、定型の形状では出せないオリジナリティを演出したいなどご検討されている方におすすめです。
紙箱を採用するメリット
私たちが普段何気なく手に取っている紙箱。実は、箱の中身や使用シーン、表現したいブランドイメージに合わせて、様々な要素を検討して作られています。では、このようにこだわりを持って紙箱を採用することで、企業側にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
販促やブランドづくりに効果的
他の材質のパッケージに比べ、使用する紙素材の選定や箱の形状設計、表面加工などの選択肢が豊富で、内容物や表現したいブランドの世界観に合わせた演出をすることができます。消費者からの見え方をコントロールし、販促効果やブランドイメージの向上が期待できる点は紙箱ならではのメリットです。
デザインやサイズの自由度が高い
写真やイラストなど繊細な印刷表現に向いているのも、紙素材ならではのメリットです。さらに、光沢感や凹凸感を加える加工を施すことで、見た目や手触りにもこだわった紙箱に仕上げることができます。箱の強度を考えるとサイズの上限は決まってしまいますが、内容物に合わせて箱のサイズや箱を開けた時の演出を考えて柔軟に形状設計できるのもポイントです。
紙箱がエコにつながる理由
世界中で進む使い捨てプラスチック削減の取り組みに加え、日本も2030年までに使い捨てプラスチックを25%排出抑制する目標を掲げています。
これには、地球環境における諸問題以外に、日本がこれまで廃プラスチックを輸出していた諸外国が、輸入の規制強化に乗り出したことも背景にあります。なかでも、主な輸出国であった中国は、2017年末に生活由来の廃プラスチックの輸入禁止を宣言。行き場を失った廃プラスチックの処理についてもあらためて考えなければならない今、政府は「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」に加え、再生可能資源への適切な切り替えを意味する「Renewable(リニューアブル)」を基本原則として政策を推進しています。
そしてこの「Renewable」を促進するため、注目されているのが紙素材です。食品、化粧品、アパレルなど、さまざまな業界で包装をプラスチックから紙へと切り替える動きが加速しています。では、なぜ紙パッケージが選ばれているのでしょうか?
紙は木を原料とする持続可能な素材
プラスチックは石油由来の資源ですが、石油は枯渇していく資源であり、その生産・使用に当たり環境に大きな負荷を与えます。一方、紙は木から作られており、植林や適切な森林管理を通じて再生可能な資源です。また、きちんと分別してリサイクルさえすれば、新たな紙製品として生まれ変わる優秀な資材。さらに、木は成長する過程で大気中のCO2を吸収し、パッケージなどに利用された後や役目を終え焼却処分されたとしても、カーボンニュートラルなサイクルを生み出すことができる素材です。こうした理由から、環境負荷が低いサステナブルな包装資材として、紙を使ったパッケージが注目されています。
自然由来で、生分解性がある
プラスチックは、海に流れ出してもマイクロプラスチックとして海洋環境に半永久的に残り続け、生態系に深刻な影響を及ぼします。一方で、紙は自然由来の素材で作られているので、自然の条件下で分解されるという性質があります。意図せずに自然環境へごみとして流出してしまうリスクを考えると、環境への負荷を減らす観点から、「可能なものは紙に置き換える」という選択をする企業が増えてきています。
さらに!一歩進んで環境に配慮するなら
紙製パッケージを採用する際は、使用する原紙やインキをうまく選択することで、さらなる環境配慮につながります。ここでは、紙箱の採用を検討する際、さらに一歩進んで環境配慮をアピールしたい方向けに方法をご紹介します。
FSC®︎認証を取得した原紙を採用する
FSC®︎認証とは、適切に管理された森林で伐採した木材を消費者に届け、得られた利益を生産者に還元する国際的な森林認証制度です。適切に管理されていると認定された森林自体に付与される「FM認証」と、生産、加工、流通に関わるすべての組織が認証を受け、トレーサビリティを担保するために付与される「CoC認証」。この2つの認証の連鎖から成り立っています。
消費者は、FSC®︎マークを目印に製品を選ぶことで、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を選んで購入することができます。
インキを植物性のものにする
紙箱に使われる印刷インキには、石油から作られたインキが一般的でしたが、近年では植物から採取できる植物油を使ったボタニカルインキやノンVOCインキが普及しています。印刷の仕上がりとインキとの相性を考えながら、イメージしている紙箱に合わせて印刷インキにもこだわってみましょう。
パッケージの紙化は大昭和紙工産業へ!
長年、紙加工業界をリードする私たち大昭和紙工産業では、印刷・抜き・加工等の全ての作業を一貫して内部で行うことで、国内シェアトップクラスの紙箱製造量を安定供給しています。また、最新鋭の設備を最大限に活かし、緻密な製函技術であらゆる形状に対応。高性能6色印刷機を扱うオペレーターの豊富な知識と経験に基づき、安定した色調整も可能です。
また、自社の専任デザイナーが、コストや現場での組み立てやすさ、強度などを考慮し、紙箱の中に入れる商品の形状やイメージに合わせて最適な形状設計をご提案。企業や製品の魅力を最大限に引き出すお手伝いをさせていただきます。
近年では、サステナブルな取り組みを消費者にアピールできる、大昭和紙工産業オリジナルの環境配慮マーク「木を植える®︎マーク」「海を守る®︎マーク」の提供を開始。紙製パッケージを活用した、一歩進んだ環境対策におすすめのサービスです。
紙製パッケージの採用をご検討の方、環境配慮に力を入れて取り組みたい方は、ぜひ大昭和紙工産業までお問い合わせください。